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橋本努・全学講義「学問の技法」

2004年度、学生レポートのサンプル2

 

 

以下に掲載するレポートは、「これから読みたい本50冊」、「後輩に薦めたい本3冊」、「古本屋めぐり」という三つのテーマに基づくものです。

 

 

リーディング・リスト

15040029  中村 圭宏

本の名前             出版社名         著者名    

1豊かさの条件           岩波新書         暉峻 淑子

2豊かさとは何か           〃             〃

3戦後政治の崩壊

〜デモクラシーはどこへゆくか〜   〃           山口 二郎

4日本の刑務所            〃           菊田 幸一 

5帝国を壊すために          〃           アルンダティ・ロイ

6現代の戦争報道           〃           門奈 直樹

7世界の終わりとハードボイルド・

 ワンダーランド(上)(下)     新潮文庫         村上 春樹

8村上ラヂオ             〃             〃  

9ねじまき鳥クロニクル        〃             〃

10潮騒                〃           三島 由紀夫

11グレート・ギャッツビー       〃           フィツジェラルド

12「少年A」この子を生んで

 父と母悔恨の手記         文春文庫         「少年A」の父母

13僕はこんな本を読んできた

 立花式読書論・読書術・書斎論    〃            立花 隆 

14臨死体験 (上)(下)       〃             〃  

15約束された場所で         〃            村上 春樹

16青春読書ノート

 大学時代何を読んだか       講談社文庫        佐高 信

17田中角栄研究全記録(上)(下)   〃             立花 隆 

18定年ゴジラ            〃           重松清 

19嘘をもひとつだけ         〃           東野 圭吾

20ダンス・ダンス・ダンス      〃           村上 春樹

21アンダーグラウンド        〃             〃    

22現代日本の問題集         講談社現代新書      日垣 隆  

23キャラクター小説の作り方     〃           大塚 英志

24七三一部隊

  生物化学兵器犯罪の真実      〃           常石 敬一

25ロスチャイルド家        

  ユダヤ国際財閥の興亡       〃           横山 三四郎

 本の名前             出版社名         著者名

26マンガと戦争           〃           夏目 房之介

27決闘裁判 

  ヨーロッパ法精神の原風景    講談社現代新書      山内 進

28中国の黒社会            〃          石田 収

29「臓器」は商品か           〃          出口 顯

30まともな人           中公新書         養老 孟司 

31エコノミストは信用できるか     〃          東谷 暁

32猫はなぜ絞首台に登ったのか   光文社新書        東 ゆみこ

33世界最高のクラシック        〃          許光俊

34生きていくためのクラシック     〃           〃  

35アメリカ以後

  取り残される日本          〃           田中 守

36視聴率200%男           〃          安達 元一 

37文明の衝突と21世紀の日本      〃            サミュエル・ハンチントン 

38緒方貞子―難民支援の現場から    〃          東里 真

39人はなぜ逃げおくれるのか     

〜災害の心理学           〃          広瀬 弘忠

 

40養老孟司の<逆さメガネ>     PHP新書       養老孟司

41記憶がウソをつく!        扶桑社         養老孟司×古舘伊知郎

42自分を知るための哲学入門     ちくま学芸文庫     竹田 青嗣

43四日間の奇跡           宝島社         浅倉 卓弥

44解夏               幻冬舎文庫       さだまさし

45幻夜               集英社         東野 圭吾

46ゲームの名は誘拐         光文社           〃

47論理トレーニング101題     産業図書        野矢 茂樹

48嵐吹く時も(上)(下)       新潮文庫        三浦 綾子

49サブリミナル・マインド      中公新書        下條 信輔

50The Catcher in the Rye             白水社         J.Dサリンジャー

                               村上 春樹訳  

 

 

新入生に勧める本

15040029  中村 圭宏

○大学時代しなければならない50のこと  PHP出版  中谷彰宏 

  この本は中谷氏が自分の人生をもとにして、大学時代にやっておくべきことを書いたものである。僕がこの本を買ったのは、札幌に引っ越してきて入学式前であった。僕はこの大学生活の4年間を後悔のない、すばらしいものにしようと心に決めていたので、生協の新生活応援フェアでこの本を見つけたのですぐに買った。この本には「コイツはすごいという人に出会おう」「卒業するまでにやりたいことが見つかれば、夢は必ず実現する」「どんなに飲んで帰っても、とりあえず机に向かう」などの普通聞けないようなアドバイスが載っている。せっかく大学に来たのだから、ただなんとなく日々を過ごすのは避けたい。そのためにもこれからの4年間を、どう過ごすかを考えるきっかけとなるこの本を大学生活の最初に読んでおくことをお勧めする。

 

○日本政治の決算〜角栄vs小泉〜  講談社現代新書  早野透

  この本は、田中真紀子の父である角栄から小泉首相までの政治を、角栄が残した政治構造とその弟子たちと、それに対抗し構造改革をしようとする人たちの対立を軸にして書いたものである。この本を読むことで、自民党の55年体制から野党降格と連立政権の成立、細川内閣、小渕首相の死、加藤の乱、小泉ブーム、連続辞任劇などの日々のニュースで見た、あるいは聞いたことがある政治的ニュースを政治の流れの中で確認することができる。以前自分があまり政治のことを知らないときに起きたニュースを、この本を読んで確認すると、そういうことだったのかと改めて気づかされ、現在の政治とのつながりが見えてくる。とても読みやすく、知的好奇心をわかせてくれる本なのでぜひ読んでもらいたい。

 

○犠牲サクリファイス〜わが息子・脳死の11日間〜  文春文庫  柳田邦男

  この本は脳死について真剣に考えさせられる本である。著者の次男が自死をはかり、脳死になってしまう。脳死に至るまでの11日間に著者が二人称の視点で脳死について考え抜いて書いた手記である。この本に重みがあるのは、実際に二人称の視点で書かれていることだ。僕たちが脳死を論じるとき、また、脳死について論じる本などでは、普通どうがんばっても三人称の視点で他人事としての考察となってしまう。当事者の側からどう考えるのかを知るためにこの本はとても価値があると思う。また、著者は生前心を病みながらも自己犠牲に思いを馳せていた息子のために、臓器提供をするかどうかいついて悩み臓器移植について決断する。その時長男が意志にいった言葉がとても印象的だった。「ただ弟の臓器を利用するというのではなく、病気で苦しむ人を助ける医療に弟が参加するのを、医師は専門家として手伝うのだ、と考えてほしいと思うんです」

  ぜひ医学部に入学した新入生に読んでもらいたい。

 

古本屋めぐり

                        15040029  中村 圭宏

T南陽堂書店

 私は古本屋めぐりの一つ目の店としてこの店を選んだ。まず店に入ると思ったのは、自分が持っていたイメージと違うということだ。私は今回古本屋を回るまで、漫画などの中古本などの置いてあるBOOK OFFなどの俗っぽい感じの店にしか行ったことがなかった。だから、古本屋といえばそういうものをイメージして、また、中古本を置いてある店ということで汚いようなところを想像していた。しかし、実際店にはいってみると、本は良い状態で趣味良く並べられていた。レジのあるカウンターで人の良さそうなおばあさんとおばさんがいた。古本屋めぐりの始めの店だったので、先生が言っていた古本屋ガイドブックがあるか聞くがてらいろいろと聞いてみた。古本屋ガイドブックは1,2年前に札幌古書籍商組合で作り、それぞれの店に均等に分配したものらしく、今はもう売り切れて店には置いてないらしかった。そこで、店員のおばあさんは、その代わりとして「さっぽろの古本屋」という冊子をくれ、他の店にはまだ残っているかもしれないというアドバイスをくれた。また、古本は東京の業者から札幌に運ばれ、札幌でせりをかけて入荷するという古本の入荷の仕組みを教えてくれた。この店の特徴としては、一階が北方関係の書籍とその他の学術一般を、また、二階では昆虫や環境、自然についての本を扱っていた。どちらかというと、二階で扱っているものがこの店のメインらしかったが、昆虫や動物についての本は読む気になれなかったので、一階に置いてある本を買った。

 この店で買った本:嵐吹く時も(上)(下)300円 新潮文庫 三浦綾子

 

U薫風書林

 この店は先生のホームページで勧められていたので行こうと思った。店が小さいのでとても見つけづらかった上、始めに行ったとき閉まっていたので外観から判断してつぶれているのかと思った。日を改めもう一度行ってみると、シャッターが開いていたので入ってみた。入ってみて店の小ささにあわないような本の多さに圧倒されてしまった。本が床や棚に積み上げられていて、しまいにはレジの奥にまで積み上げられていた。そのため本を何度も落とし、積み上げられていた本の山を崩してしまった。外にあった箱にも本が入っている気がする。店にある本はなんというか高尚な本というか、今まで自分があまり読んでこなかった本、宗教関係のものや心理学、女性、天皇、芸術などの本が数多くあった。隠れ家的な店で個人的に気に入った。ここでは、この店にあった、なにかいつもは買わないようなものを買おうと思い、日本人の結婚観という本を買った。

 この店で買った本:日本人の結婚観 180円 講談社学術文庫 神島二郎

 

Vサッポロ堂

 とても圧倒された薫風書林の後に行ったということもあり、自分としては印象の薄い店だった。置いてある本としては、法律の本が結構あり、英字の本も目に付いた。この店の特徴は、アイヌやサハリンの本を多く扱っていることらしい。

 

W北十二条書店

 この店は前に見た三つの店と雰囲気と違った。店内に明るいバックミュージックが流れており、漫画も置いてあった。どちらかといえば、B00K OFFのような店の感じだ。南陽堂でもらった「さっぽろの古本屋」に店の紹介も載っていなかったことから判断して、やはり、漫画をおいているような店は札幌古書籍所組合には入れないのだろうかと思った。また、この店は回った中で文庫本がとても多く、値段も安かった。文庫本を買うならこの店だ。

 この店で買った本:こころ 105円 新潮文庫 夏目漱石

          ギリシャ・ローマ神話 365円 佐々木理

 

X弘南堂書店

 この本屋は個人的に一番気に入った。まず、雰囲気がいい。橙色のような照明で照らされた店内は、それぞれの項目によってきちんと整頓されたとても落ち着いた雰囲気である。店内ではおじいさんとおばあさんとバイトの学生(たぶん北大生)が店番をしながら、ほのぼのとした感じで話をしていた。自分もこんな店でバイトできればなぁという思いが沸いた。また、店内では学問の技法をとっている人にもあった。この店では北海道史や旭川史などの郷土史がよく目についき、他にはアイヌや、戦記、文学、専門書などの本、岩波新書がたくさんあった。

 この本屋で買った本:武器よさらば(上)(下) 450円 岩波文庫 へミングウェイ

           潮騒 150円 新潮文庫 三島由紀夫

           初恋 180円 岩波文庫 ツルゲーネフ

           モーツァルト 350円 講談社学術文庫 吉田秀和

     感想

古本屋に行って、なにか自分の知らない世界を新しく知った気がした。店内に入ってあたりの趣味よく並べられている本棚を見ると、まだ自分が読んだことのない名著や、見たこともない本がたくさんあり、自分が読んだことがない本がいかに多いことかと思い知らされた。また、その気持ちと同時に早くこれらの本をひとつでも多くでも読み、多くのことを知りたいという欲求にかられた。また、古本屋に置いてあると本をみると、普通なにも感じないような本でも価値があるかのような感じがした。古本屋の存在を大学1年のこの時期に知ることが出来たことは大きい。これからの生活では、今までより文庫本や専門書を買う機会が増えるだろう。そのとき、文庫本や専門書を安く買うことの出来る古本屋を利用しないてはない。まだ古本屋を回ったことがない友達にぜひ回ることを進めたい。

 

 

 

水沼花織

50タイトル

これから読みたい本50タイトルです。上にいくにつれ、まじめさが失われています。並び方は、逆からのほうが良かったかもしれません。

 

食卓にあがった死の灰 / 高木仁三郎, 渡辺美紀子著  講談社現代新書

ベットから見た病院 / 千種峯蔵著. - 東京 : 醫學書院

ル・シラアジユ : 長篇小説 船あと / 早川三代治著. - 東京 : 明窓社

スは宇宙のス / レイ・ブラッドベリ著 ; 一ノ瀬直二訳

死を考える / アルフォンス・デーケン, メヂカルフレンド社編集部編集. - 東京 : メヂカルフレンド社

難しい子の理解と教育 / アンドレ・ベルジュ著 ; 藤原英夫,田中郁夫共訳. - 東京 : ぎょうせい

墓に唾をかけろ / ボリス・ヴィアン著 ; 伊東守男訳. - 東京 : 早川書房

草に埋れた飛行場 : 郷土を語る集い「計根別飛行場の断面」集録 / なかしべつ町郷土研究会編. - 〔札幌〕 : なかしべつ町郷土研究会

小児の皮膚病 / 朝田康夫著 東京 : 新興医学出版社

-ツァルトは子守唄を歌わない / 森雅裕著. - 東京 : 講談社

TVメディアの興亡 / 辛坊治郎著. - 東京 : 集英社

島虎の町おこし奮戦記 : 北海道・仁木町長の八年 / 島本虎三著

瑠璃光 / 與謝野晶子著. - 東京 : アルス

絵でみる医学 : 臓器移植とガンへの挑戦 / S.バトラー,R.レイモンド著 ; 和気朗訳. - 東京 : 東京図書

メリ-・スチュア- / ツヴァイク著 ; 高橋貞二,西義之共訳. - 東京 : 新潮社

羅針盤のない旅行者 / モルガン作 ; 石川湧訳. - 東京 : 岩波書店

宝の蔵 / 幸田露伴著. - 東京 : ほるぷ出版

依存したがる人々 / 本橋信宏著. - 東京 : 筑摩書房

図で見るマンション管理 / マンション管理センター編. - 東京 : 大成出版社

木の家に住むことを勉強する本 / 「木の家」プロジェクト編・著. - 東京 : 泰文館

日記 / [ジュール・ルナール著] ; 佃裕文, ジロー・ジャン=ピエール訳. - 京都 : 臨川書店

霊はあるか : 科学の視点から / 安斎育郎著. - 東京 : 講談社

ここに薔薇ありせば / ヤコブセン作 ; 矢崎源九郎譯. - 東京 : 岩波書店

胃はなぜ自分を消化しないのか / H.W.デブンポ-ト原著 ; 日経サイエンス編集部編 ; 日野志郎, 日野茂男訳. - 東京 : 日経サイエンス

仲間とともに生きる教師. - 東京 : あゆみ出版

蘭の影 / 高樹のぶ子著. - 東京 : 新潮社

異国への旅 / 成律子著. - 東京 : 創樹社

時刻表すみずみ紀行 / 桜井寛写真・文. - 東京 : トラベルジャーナル

負けいくさの構造 : 日本人の戦争観 / 千葉徳爾著. - 東京 : 平凡社 ,

誰がための官僚 : 「霞が関の逆襲」は始まるか / 塩田潮著. - 東京 : 日本経済新聞社

辻征夫詩集. - 東京 : 思潮社

カモメに飛ぶことを教えた猫 / ルイス・セプルベダ [] ; 河野万里子訳. - 東京 : 白水社

余は如何にして基督信徒となりし乎 / 内村鑑三著 ; 鈴木俊郎譯. - 東京 : 岩波書店

場と共創 / 清水博編著 ; 久米是志, 三輪敬之, 三宅美博共著. - 東京 : NTT出版

檸檬 ; 冬の日 : 9 / 梶井基次郎作. - 東京 : 岩波書店

ケータイのなかの欲望 / 松葉仁著. - 東京 : 文藝春秋

内容分析 / バーナード・ベレルソン [] ; 稻葉三千男, 金圭煥譯. - 東京 : みすず書房

ラ・レヘンタ / クラリン〔著〕 ; 東谷穎人訳. - 東京 : 白水社

友達の友達 : ネットワーク、操作者、コアリッション / ジェレミー・ボワセベン著 ; 岩上真珠,池岡義孝訳. - 東京 : 未来社

意思能力をなくした人々 : 新しい成年後見制度に向けて / 金澤彰著. - 東京 : 萌文社

ナノテクノロジー : 極微科学とは何か / 川合知二 []. - 東京 : PHP研究所

ラッコのいる海 : 人間はいかに生態系を傷つけてきたか / 吉川美代子著. - 東京 : 立風書房

魔法の数10[40] : 偶然から必然への宇宙論 / P.C.W. デイヴィス ; 田辺健じ訳. - 東京 : 地人書館

津地鎮祭違憲訴訟 : 精神的自由を守る市民運動の記録 / 津地鎮祭違憲訴訟を守る会編. - 東京 : 新教出版社

宇宙の創造 / ジョージ・ガモフ著 ; 伏見康治訳. - 東京 : 白揚社

ようこそ鬱へ : 知られざるそのパワ- / フレデリック・F.フラック著 ; 斎藤茂太訳. - 東京 : フォ-・ユ-

ギリシア喜劇全集 / 高津春繁〔ほか〕訳. - 京都 : 人文書院

自分らしい終末「尊厳死」. - 東京 : 法研

「脳」は「脳」を理解できるか / D.H.ヒュ-ベル原著 ; 日経サイエンス編集部編 ; 塚田裕三原訳. - 東京 : 日経サイエンス

子供と都市 : International symposium / 総合研究開発機構編. - 東京 : 学陽書房

 

 

おすすめの3

 新入生に薦める本ということで、自分探し、自己の再発見の本を紹介したいと思う。そのなかでも、面白い本、ショックな本、前向きになれる本を取り上げてみたい。もちろん、ショックな本とは、いい意味で、ショックを受ける本だ。面白いが実は切ない本としては、「City」(アレッサンドロ・バリッコ、白水社、草皆伸子訳2001年)、ショックを受ける本は、「プッシュ」(サファイヤ、河出書房新社 東江一紀訳、1996年)、それに、前向きになれる本として、「びんぼう神様」(高草洋子、地湧社、2000年)を紹介したい。

City」は、文句なしに面白い。「City」は、天才少年グールドとおかしな女性シャッツィとの出会い(電話)から始まる。グールドは、13才である。ノーベル賞を期待されているが、父親は軍の仕事で忙しく、母親は精神病院に入院している。ユーモアのセンスがとてもいい。これは、二人が初めて会話をしたときのものだ。シャッツィは、電話でのアンケートの仕事を手伝っている。

・・・・

Mister Gould…”

 “Yes?”

 “Would you mind telling me how old you are?”

 “Thirteen.”

 “Thirteen?”

 “Twelve… to be precise, twelve.”

 “Listen Gould, your mom isn’t around there somewhere, is she?”

 “My mom left home four years ago, these days she lives with a professor who studies fish, fish behaviour, an ethologist, to be precise.”

 “I’m sorry.”

 “You don’t have to be sorry, life’s like that, there’s nothing you can do about it.”

 “Really?”

 “Really. Don’t you think it’s like that?”

 “Yes… I think it’s like that… I don’t know for sure, I imagine it’s like that.”

 “Sure as hell it’s like that.”

 “You’re twelve, right?”

 “Tomorrow I’ll be thirteen, tomorrow.”

 “Splendid.”

 “Splendid.”

 “Happy birthday, Gould.”

 “Thanks.”

http://www.abcity.it/ing.htmより。太字は著者による)

シャッツィは、グールドの家で家政婦として働き、保護者そしてよき理解者になる。しかし、グールドは縛られている。サッカーを見て、鋭い判断することはできるのに、ボールを蹴ることはできない。そんななかで、彼は「知的誠実さの論文」と出会う。最後は、切ないが、ハッピーエンドであると思う。出てくる登場人物も多彩だ。ちなみに、作者の、アレッサンドロ・バリッコは、映画「海の上のピアニスト」の原作者。原作は一人芝居の戯曲として書かれた作品なので、原作と映画に違いがあって、見比べてみると面白いかもしれない。

「プッシュ」は、とにかく衝撃的だ。さわりの部分は、こう始まる。「あたし、12さいのとき、らくだいさせられた。とーさんの赤んぼ生んだから。1983年の話。1年かん、がっこーからしめ出された。いま、おなかに、ふたりめの赤んぼがいる。・・・」主人公の名前は、プレシャス。ハーレム生まれの16歳。父親からの性的虐待、母親からの暴力にうちのめされ、夢も希望もない。読み書きもできない。学校からは、妊娠を理由に追い出された。彼女は、黒人だ。そして、身長が1778cmあって体重は90キロ以上だ。周りは、彼女とすれ違うと、彼女の上を見て、無視をする。プレシャスは、自分が感じられない。自分の存在を見てもらえない。「・・ほんとに見てたら、あたしのなかみが、白い女の子と、ほんものの人間とおんなじだってわかるはず・・」そんなプレシャスに、代替学校の案内がされる。読み書きを教えてもらいはじめる。そこから、彼女は、再び自分を取りもどしていく。私は、この本を読んで、とてもショックだった。それは、私も、黒人を差別していることに気づいたからだ。今の日本は、白人至上主義であるように思う。TVに出てくるのは、白人ばかり。白人と同化しようとする日本人に、違和感を覚えずにはいられない。この小説には、過激な言葉も出てくるし、正直、進めるのにも戸惑った。けれど、この小説を読むことで、得られるもののほうが多い。ぜひ、一度は読んでみてほしい。

最後に進めるのは、「びんぼう神様」だ。これは、大人向きの絵本だ。ある家に、びんぼう神がすみつき、家は貧しくなっていく。しかし、その家の家族は、嫌がるどころか、神棚をつくって、びんぼう神を拝み始めた。そこから、びんぼう神は、悩み始める。なぜ、びんぼう神である自分を祭るのか、そもそも、なぜ不幸を招くようなびんぼう神である自分が存在するのか――。その答えは、本の中にあるが、短く、簡潔な文章で、とても重要なことを言っている。これを読んで、感謝する心の大切さ、ひとりひとりの大切さを感じるとともに、はたして、自分は一体なんの役に立っているのか、と悩みもした。いいきっかけになる本だ。

新入生に薦める本、ということで小説というジャンルに傾いてしまった。新しい生活の中で、新しい自分を見つけるために、このような本を読んでみるのも、面白いのではないだろうか、と考えて選んだのだが。

 

古本屋めぐり 

最初に、家から近い弘南道書店へ行く。外観は威厳があり、入りにくかった。そこで、店の外側にある、棚の本を眺める。そこには、文庫の本が並んでいた。レポートは関係ない、CD名曲名鑑(ONBOOKS)を眺めていると、店の人が出てきた。あいさつをする。結局、本は外側にある棚の本を選び、会計をするため、店の中に入る。内側は清潔で、天井の上まで届く棚があり、本がぎっしり、順序良く並んでいた。すると、店の人が近づいてきて、会計のレジまで案内してくれる。レジのところには、オーナーらしき年を召した方が座っていた。レジで会計し、レシートをもらい、店外へ出た。古本屋というと、厳しいおじさんがきりもりしていて、雰囲気も暗そうだと考えていたが、この古本屋は愛想の良い女性で、店内の雰囲気も明るく、古本屋デビューの一歩目としては、良い選択だった。

弘南道書店

目の見えぬ子ら 赤座憲久 岩波新書 50

論文の書き方 清水幾太郎 岩波新書  50

 

次に、南上し、北12条書店へ行く。弘南道書店はハードカバーの本が専門のようだったが、この北12条書店は、雑誌から漫画まで何でもそろっていた。外観は明るく、本屋のようだったが、店の人の愛想がとても悪かった。そして、値段も高い。本屋で買うよりは、安いのだが、選び放題、というほどではなかった。文庫本が多かったから、文庫本を探すときには、ここに行こうと考えたが、たぶん2度と行かない。プロならプロらしく、客商売をするべきだ。ここは、レジではなく、計算機を使ってお金の精算をしてくれたのだが、レシートもくれない。弘南道書店を見習え、と思った。弘南道書店が良すぎたせいか、悪い評価になってしまった。

12条書店

死神とのインタヴュー ノサック 岩波文庫 315

孤独との対話 山根銀治 岩波新書 155

 

 上の2軒とは異なる日に行った。北大沿いにある、いしまる書店へ向かう。外から見ると、開店しているのか、閉店しているのかわからない。明かりがついていたので、開店と賭け、店内へ入る。至るところに本があった。店の人にあいさつしようにも、本がレジらしきところに山積みされていて、人がいるのかも分からない。店内は、狭い上に、本が至るところに置いてあるので、よけいに足の踏み場がない。何度か躓きそうになる。本の種類は、おもしろそうな本が多くあった。もう少し、時間をかけて眺めてみたい。昔の、高校の物理や数学の教科書も売っていた。

いしまる書店

古代への情熱 シュリーマン 岩波文庫 150円 

実践論・矛盾論 毛沢東  岩波文庫100

 

 続いて北上し、北天堂書店へ行く。店の外観が明るく清潔だったので、北12条書店

のことを思い出し、少し躊躇する。勇気を出して、店内へ入る。店の中は明るく、本はきちんとジャンルごとに分類されていた。学術書というよりかは、一般書が多かった。新書を探したのだが、なかった。この店は、インターネットでも注文に応じるらしく、そこでの人気が高いため、店頭には並ばないそうだ。そこで、岩波文庫に的を絞り、興味のある本を探す。しかし、ない。興味のあるものは、例外なく高い。絶版した本を多くとり扱っているようで、汚れのついている本と新しい本では、新しい本のほうが安い。しかも、上の3軒の古本屋と比較しても、この本屋の値段のつけ方には、疑問が残る。たしかに、店によって本の値段のつけ方が異なるのは分かるが、この本屋は客の足元を見ている気がする。後味の悪い気分になりながらも、一番安いという理由だけで、本を選ぶ。欲しくない本を買う、というのは本当に、苦痛だった。

北天堂書店

更級日記 岩波文庫 150

12夜 シェイクスピア 岩波文庫 150

 

5軒目に行こうとしていた本屋が閉まっていたので、最終兵器のブックオフへ行く。ブックオフは、本の状態で価格を決めているので、思わぬ掘り出し物が多い。一時的に流行した本を買うのは、ブックオフのほうが安い。しかし、こういったシステムを作ることができるのは、やはり企業だからだろうか。小さな古書店では、店の判断、本の需要で、売り上げを決定する価格を出す。だから、どうしても価格が高めになってしまうのかもしれない。

ブックオフ

心に届く英語 マイク・ピーターセン 岩波新書 105

檸檬・冬の日 梶井基次郎 岩波文庫 105

 

 初めての古本屋めぐりだった。今回の古本屋めぐりで、分かったことがある。それは、かならずしも、店の外見や雰囲気と実際の内部が一致しないことだ。最初に行った弘南堂書店は、入りにくい雰囲気だったけれど、店の内側は、ずっといたくなるような雰囲気だった。反対に、北天堂書店や北12条書店では、一見すると新しく、入りやすい雰囲気ではあるけれど、もう一度来たい、と思うような雰囲気ではなかった。価格も比較的高く、店の人の愛想も悪い。ビジネスライクというか、商売根性がない。しかし、入るのに構える必要がなく、客と店が他人同士、といった古本屋が、現代の人々をあらわしているようで、やはり最後には残っていくのだろうと思うと、悲しくなった。

 

 

 

宗野裕治

読みたい本50

             05040098 文学部1年 宗野裕治

 1、文学の概念         加藤周一

 2、演技する精神        山崎正和

 3、レトリックを少々      佐藤信夫 

 4、考えるヒント        小林秀雄

 5、日本の都市空間と「奥」   槇文彦

 6、現代社会における芸術    桑原武夫

 7、問われる「身体」の生命   西谷修  

 8、普通を誰も教えてくれない  鷲田清一

 9、生と死への眼差し      村上陽一郎

10、始まりとは何か      小林康夫

 11、科学思想史        坂本賢三

 12、社会哲学の現代的展開   加茂直樹

 13、身体、この遠きもの    鷲田清一

14、日本の思想        丸山真男

15、民芸の意味        柳宗悦

16、日本文学史序説      加藤周一

17、世間とは何か       阿部謹也

18、甘えの構造        土井健郎

19、「甘え」と日本人     土居健郎・斎藤考  

20、タテ社会の人間関係単一社会の理論      中根千枝

21、衣服はなにを与えたか 現代モードの社会学   北山晴一

22、曖昧な日本の私      大江健三郎

23、明治維新の敗者と勝者   田中彰

24、菊と刀          ルーズ・ベネディクト

25、敗北を抱きしめて     ジョン・ダワー

26、葉隠           山本常朝

27、甲陽軍艦 

28、朝倉宗滴話記 

29、日本外史         頼山陽

30、陰徳太平記        香川正矩

31、久坂玄瑞全集       福本義亮

32、大村益次郎文書      内田伸

33、吉田松陰書簡集

34、正法眼蔵         道元

35、李衛公問対

36、国語

37、大学

38、ヴェニスの商人      シェイクスピア

39、資本論          マルクス

40、存在と時間        ハイデッガー

41、死に至る病        キルケゴール

42、ツァラトゥストラはかく語りき    ニーチェ

43、同心暁蘭之介 江戸期の法律捕物控  笹沢左保

44、最後の幕臣 小栗上野介       星亮一

45、大地の子         山崎豊子

46、花押           司馬遼太郎

47、木            幸田文

48、殉死           司馬遼太郎

49、阿部一族         森鴎外

50、福翁自伝         福沢諭吉

 

8回目のレポート・古本屋めぐりの感想

              05040098 文学部1年 宗野裕治

 私は古本屋をよく利用する。でもそれは個人経営の古本屋ではなく、BOOK・OFFやBOOK・MARKETT、BOOK・WITHなどのチェーン店である。個人経営の古本屋にはほとんど行かない。行くとしたら何か特別な本を手に入れたい場合くらいだろうが、ここ23年はそんなこともなかった。それに本を売ったとしても、「なんだこれ?」のような値段しかつかない(これはチェーン店も同じですね)。ひそかに期待しながら、重い本を抱えていっても、見事に期待を裏切られるのでした。これは子供心につらいものだろう。

 それにやっぱりチェーン店の本屋は安い。売れない本や汚れのひどい本は100円なのだから。古本屋も確かに安いが、チェーン店にはかなわない。それに品揃えもいい。たとえ古本屋のほうが安かったとしても、それは本当に汚くて、部屋に置く事をためらうような本ばかりだ(そうじゃない場合もあるかもしれないけど)。どうしても欲しい本は新品で買うし、それほど欲しくないけど役に立ちそうな本は、チェーン店で探して買うというのが私の習慣だ。

さらに私は古本屋で買うよりも、図書館で本を読むほうを好む。本の数が増えることは苦痛であるし(スペースを取るし、安易に保存するだけで終わってしまう)、本を買えば買うほど、一冊にかける情熱も失われる。それに、やはり立ち読みは疲れる。気がついたら腕や足が痛い。図書館なら速攻で椅子に座り、熟読できる。それに必要なら借りることができるので便利だし、期限がある分、安く買った本よりも真剣に(私は)読むことができる。

 

しかし今回は久しぶりに古本屋を巡ることになったので、いろいろ行ってみることにした。何か新たな発見がみつかるかもしれないとも思ったし、札幌の古本屋は私の地元と違う点があるかもしれない(すでに札幌が、でかい都市という違いがあるが)。

 私が感じたことは、北大の周辺の古本屋は、学術書の揃えがいいということだった。北大はいろんな学部がひとつのキャンパスに集中しているから、それだけ学術書の種類も豊富なのであろう。また学術書を必要とする人たちの数も多いのだろう。さらに札幌の駅にも近いから、古本屋としては本の流動性が高い方なのかもしれない。

また、私の考えとは違う発見もあった。ある古本屋の店主に聞いてみたが、古本屋の戦略はそんなに変化しないという。学術本が主体の本屋では、毎年学術本をよく買い取るし、文庫に主点を置く本屋では、毎年文庫をよく買い取る。それは個人経営の古本屋の形態であるらしい。古本屋も世間の潮流に乗るのかと思ったが、そうではないらしい。チェーン店とは形態が違うのだ。

 しかしそのようなことで古本業界の競争に生き残れるのか、疑問が残るところである。古本屋といっても商業なのだから、利益はやはり欲しいだろうし、経営には新たな資本が必要だろう。札幌には古本屋が結構あるので、それで大丈夫なのかもしれないが。ひょっとすると古本屋の連合会などがあって、お互いの持っている本の交換や商売の提携がなされているのかもしれない。

私が古本屋めぐりで感じ取ったのは、現代の主流である資本主義から離れた機構だった。そこには単なる金儲けを超えた商業の特質があらわれていると思う。古本屋としての商業倫理だろうか。古本屋には店員も少ないし、ひょっとしたら趣味の商売であるのかもしれない。企業家精神を剥き出しにするのではなく、生計を立てられる範囲で商売しているのだろう。

さらにいうと、そこには労働者としての誇りがあるのかもしれない。もしくは古本屋を長年営んできた誇りだろうか。周りに流されず、独自のスタイルを貫いている。これは古本屋に限らず、自営業の店にも言える。私は自営業の店は客との信頼関係で成り立っていると思う。私の家庭は自営業ではないが、親戚に自営業の店を営む人がいる。彼の話を聞くと、やはり顧客との信頼関係を大事にしていることがわかる。

ただ、古本屋は個人経営だから、ある意味それが性に合っているというだけかもしれない。企業でもまれながら他人に気を遣うより、自由な仕事がしたいという理由もあるだろう。自由な経営ができる分だけ、不満の度合いも抑えられ、ひたすら利潤を追求するという方向へ進まないともいえるだろう。

また、主流に流されないということは、見方を変えれば、適応能力がないともいえる。古いしがらみに縛られているだけなのかもしれない。ハイリスクを背負わない、いわば安定思考がそこにあるだろう。

私は大学に来てからずっと、現代の諸問題にばかり目が向いていて、自然にその周辺の社会・経済ばかりを追い求めていた。しかし、この古本屋めぐりはその行動に新たな視点を与えてくれた気がする。世の中にはいろんな人がいるものだ。現在の主流に流されず、冷静に、客観的に物事を見つめることは大事であるが、古本屋はそんな雰囲気をもっているのかもしれない。物事を客観的に見つめたいとき、利用する環境として、古本屋が選択肢のひとつになりうるだろう(効果の度合いは人それぞれだろうが)。

今回は、いろいろなことが考えられた、いいイベントであった。いろいろと推測できて、反応を養うにもちょうどいい機会であった。ただ推測ばかりであったのが残念である。やはり確認が必要だ。ここまで考えたのだから、いろいろと古本屋についての本を読んでみてもいいと思った(優先順位は低いけど)。

 

最後に述べるが、私は自分のスタイルが一番いいと思っている。これに変わりはない。今回の古本屋めぐりも、それを変えるには至らなかった。古本屋で買うよりも図書館のほうが好きであるし、買うとしてもチェーン店を利用する。これは今までもそうだったし、また長く続きそうである。今回は新たな発見があった一方で、自分のスタイルを再認識・再確認する機会でもあった。

 

 

 

 

 

紹介したい本50

タイトル

著者

出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 1、執念の逆転劇

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 3、翼よ、よみがえれ

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 4、男たちの飽くなき戦い

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 5、そして、風が吹いた

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 6 ジャパンパワー飛翔

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 7、未来への総力戦

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 8、思いは国境を越えた

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 9、熱き心、炎のごとく

NHKプロジェクトX製作班

NHK出版

60歳のラブレター

内館 牧子 他

NHK出版

ジーコの考えるサッカー LEVEL1

ジーコ

NHK出版

ジーコの考えるサッカー LEVEL2

ジーコ

NHK出版

ジーコの考えるサッカー LEVEL3

ジーコ

NHK出版

ハリー・ポッターと賢者の石

J.K.ローリング

静山社

ハリー・ポッターと秘密の部屋

J.K.ローリング

静山社

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

J.K.ローリング

静山社

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(上)

J.K.ローリング

静山社

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(下)

J.K.ローリング

静山社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 1

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 2

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 3

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 4

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 5

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 6

山岡 荘八

講談社

豊臣秀吉〜異本太閣記〜 7

山岡 荘八

講談社

だから、あなたも生き抜いて

大平 光代

講談社

記憶力を強くする

池谷 裕二

講談社

代々木ゼミ方式 五丁 前田の物理TB・U上

前田 和貞

代々木ライブラリー

代々木ゼミ方式 五丁 前田の物理TB・U下

前田 和貞

代々木ライブラリー

駿台受験シリーズ 必修化学 上

石川 峻

駿台文庫

駿台受験シリーズ 必修化学 下

石川 峻

駿台文庫

頭に優しい雑学読本

竹内 均

三笠書房

ことばの豆知識 第1章

押鐘 冨士雄

三笠書房

小泉首相が注目した「米百俵」の精神

原山 建郎

主婦の友社

車椅子のJ リーガー〜今僕はシドニー・パラリンピックの日本代表

京谷 和幸・陽子

主婦の友社

話を聞かない男、地図が読めない女

アラン・ピース、バーバラ・ピース

主婦の友社

敗れ去るものたち

沢木 耕太郎

文春文庫

It”と呼ばれた子 幼年期

デイヴ・ペルザー

ヴィレッジブックス

この世で一番の奇跡

オグ・マンディーノ

PHP

世界の中心で、愛を叫ぶ

片山 恭一

小学館

こころ

夏目 漱石

岩波文庫

都市の少子社会

金子 勇

東京大学出版会

風になった日

高橋 尚子

幻冬舎

十二番目の天使

オグ・マンディーノ

求龍堂

NAKATA〜中田英寿 イタリア戦記〜

ステーファノ・ボルトリーニ

朝日文庫

三国志辞典

横山 光輝

潮出版社

あの死刑囚の最後の瞬間

大塚 公子

ライブ出版

生きていてよかった

山口 洋子

文化創作出版

16週〜あなたといた幸せな時間〜

向井 亜紀

扶桑社

未知からのコンタクト

村上 和雄   桜井 邦朋

黙出版

バトル・ロワイヤル

高見 広春

大田出版

 

 私が読んで楽しかった3冊の本25040240 白井 賢志

 

車椅子のJリーガー〜今僕はシドニー・パラリンピックの日本代表〜

京谷 和幸・陽子

  この本は、元ジェフ市原のミッドフィルダーだった京谷和幸さんの、陽子さんとの出会いから不慮の事故による現役引退と車椅子での生活、そしてその後の人生についてを、1部は陽子さん、

2部は和幸さん、3部は2人で書くという3部構成で書かれています。 私もサッカーをやっているので、サッカーが一生やれなくなる辛さというのにとても考えさせるものがありました。車椅子生活を医者から宣告されたときの二人の悲しみと、これからの生活について励ましあい、前向きに2人で頑張っていこうという気持ちががとてもよく伝わってきます。私個人としては、失意のどん底にいる和幸さんを常に支えている陽子さんの姿に感動を覚えました。

 

あの死刑囚の最後の瞬間  大塚 公子

  この本は、題名通り死刑囚の死刑判決が下りてから死刑が執行されるまでの間に起こった出来事を第三者視点から書いているという作品です。挿し絵に絞首台や電気ショックなどの死刑執行器具などが載せられています。この作品は死刑囚を13人取り扱っていて、さまざまな人がいます。死ぬことを恐れないで台に立つ人、最後まで自分の無実を信じて疑わない人、死を恐れて死刑台の前で大暴れする人とさまざまですが、人が落下してから死ぬまでの間はみんな同じ様に苦しんでいる様子が書かれています。

 

プロジェクトX〜挑戦者たち〜 1、執念の逆転劇

NHKプロジェクトX製作班

  この「プロジェクトX」という作品は、NHKで放送されていますが、TVで伝えられなかった多くの事を本で紹介するという形で出版されています。基本的にサブタイトルにのっとったテーマを中心に、この「執念の逆転劇」には6つの作品が載せてあります。その中でも私は青函トンネルの話を書いた「友の死を越えて〜青函トンネル・24年の大工事」という作品が気に入ってます。トンネル工事中に起きた異常出水によるトンネル水没の危機にも関わらず、作業隊員が感電死の恐怖にも逃げずに水没をくいとめようとする様子はすばらしいです。

 

古本屋巡りの感想           25040240 白井 賢志

 今回の課題は、古本屋を5件回ってきて、出版社指定図書10冊を購入し、次回の講義に持ってくること。そして古本屋巡りについて2,000字以上のレポートを提出すること。この2つだった。購入した図書はレポートの最後に記載するとして、ここでは主に回ってきた古本屋についてそれぞれ特徴や取り揃えている本の量、主なジャンル、率直な感想などを述べようと思う。書いた順番は巡った順番である。

 

1、Book House 恵庭店

  地元にある古本屋で、私が結構頻繁に行く店である。。

 店の特徴としては、やはり中が広く、本棚と本棚の間がかなりある。基本的に本の管理は整っていて、本の並びも出版社や著者を分けて置いてあり、図書の保管状況などはかなり綺麗である。

 取り揃えている本の量はやはり店が広いのでかなりなものであるが、取り扱っているジャンルの多さも半端ではないので、それぞれのジャンルで本の量を調べると、そこそこの量はあるが、やはり他に回った店と比べて満足できる量ではないと私は感じた。

 率直な感想としては、古本屋というよりも普通の本屋といった雰囲気が感じられた。もしかしたら、図書が綺麗に見える時点でこの講義で取り上げる「古本屋」には当てはまらなかったのかもしれない。

 

2、古本の3C

 この店も地元にある古本屋で、中学生の頃は頻繁に行っていた店である。最近はまったく行ってなかった。今回の課題のため足を運んだ。

 この店はそんなに大きい店ではないが、棚の上まで本が置いてあり、最初に行ったBook Houseよりも「古本屋」という感じがした。綺麗な本から結構ぼろぼろな本まで置いていた。

 残念なことに、ここの取り揃えている本はマンガが半分弱を占めていて、知識を得るという面での読みたい本というのは少なかった。実際ここでは1冊しか本を買っていない。ただ量が少ないからといって敬遠するのはよくないと思った。実際私は10冊の中でここで買った本が1番気に入っている。

 

3、弘南堂書店

 この店は北大のすぐ近くにあり、友達の推薦で行ってみた。まず率直に感想を述べると、前の2つの店とはだいぶ違う、「古い本」のみが置いてあるような雰囲気を感じた。本は整理されているよりも少しまだらに棚に入れていたほうが古本屋という感じがでてよいと思う。外にまで本を置いているところも印象深かった。

 店自体はそんなに大きくなかったが、やはり知識や経験の詰まった本が棚にぎっしり詰め込まれている様子は私を圧倒させた。本の量もさほど多くなかったが、立ち読みした本の数が1番多かった店だった。

 私が回った5つの店の中でこの店が1番私のイメージした「古本屋」に近かった。私の中では古本屋とは本だけでなく本屋自体も古いイメージがある。古いというのはその本に見合った、人がどれだけ立ち寄り本を手にしたか、いわゆる「老舗」風の印象である。そういうイメージにこの店がぴったり当てはまったのだ。

 

4、北12条書店

 この店は弘南堂書店の2つ隣の店である。

店の外見からして多分コンビニの店舗をそのまま利用したのが容易に想像された。店の中は、比較的低い棚に本が入っていて、本を探す行為自体にはあまり苦労しなかった。奥のスペースにマンガなどが置いてあったがスペース的にかなり狭く、低い棚の本がメインである感じがした。

 量はそれほど多い感じはしなかった。ただ本のジャンルで感じたことは、小説の割合がなかなか多かったことである。私は基本的に小説は好んで読むほうではないので読みたい本を探すのに苦労した。

 取り扱っている本的には古本屋のイメージは強かったが、壁際に本がなかったのが少し残念だった。店の大きさのわりに本の量が少なかった印象があった。

 

5、いしまる書店

 この店は弘南堂書店、北12条書店と同じ並びにある店である。

 店の中はかなり本で埋め尽くされており、歩くスペースもままならない状態だった。棚の横に山積みになっている本もあった。ほこりっぽい感じがして、店番の人の前にも本が山積みになってたりと、経営重視というよりも趣味でやっている感じがした。

 店もそんなに大きくなかったのは確かだが、それにしてもかなり狭い印象を抱いたのはそれだけ通路に置いてある本が多かったということだろう。もちろん棚にも棚の上にもびっしり本が置いてあった。

 感想として、本も本屋自体も古い印象はあったが、「老舗」みたいな印象は抱けなかった。やはり多少の「店」としての節度を保たないとよい印象はもたれないだろう。

 

 今回、古本屋巡りということで5件の店を回ったが、とてもよい経験をしたと思う。今回の課題は、古本屋といってもいろいろな店があること、いろいろな店を回らないと自分の読みたい本は見つからないということが印象に残ったとても楽しいものだった。

 

・購入した図書

 ・Book House 恵庭店

   「治るがん」と「治らないがん」       講談社文庫

   生きものたちの部屋             新潮文庫

 

・古本の3C

  「さよなら」が知ってるたくさんのこと    新潮文庫

 

・弘南堂書店

  知性について                岩波文庫

  「別れ」の深層意識             講談社文庫

  パニックの心理               講談社文庫

  いかに生きるか               講談社文庫

 

・北十二条書店

  峠から日本が見える             新潮文庫

  男の値打ちは何で決まるか          新潮文庫

 

・いしまる書店

  量子力学入門                岩波文庫

 

 

 

 

梅田勇太

読みたい本50

1 DNAに刻まれたヒトの歴史 長谷川政美 岩波書店

2 牧畜文化の原像―生態・社会・歴史 福井勝義・谷泰編著 日本放送出版協会

3 シャーマニズムの世界 桜井徳太郎編 春秋社

4 ゾロアスター教―神々への讃歌 岡田明憲 平河出版社

5 ローマ帝国衰亡史 ギボン、村上雄三訳 岩波文庫

6 歴史 ヘロドトス、松平千秋訳 岩波文庫

7 戦史 トゥキディデス、久保正彰訳 岩波文庫

8 プラトンの学園アカデメイア 廣川洋一 岩波書店

9 饗宴 プラトン、久保勉訳 岩波文庫

10 国家 プラトン、藤沢令夫訳 岩波文庫

11 パルミラ―隊商都市 小玉新次郎 近藤出版社

12 古代アレクサンドリア図書館 エル=アバディ、松本慎二訳 中公新書

13 ローマの道の物語 藤原武 原書房

14 古代のローマ水道 今井宏 原書房

15 ガリア戦記 カエサル、近山金次訳 岩波文庫

16 ゲルマーニア タキトゥス、泉井久之助訳 岩波文庫

17 不可触民の道 山際素男 三一新書

18 古代インドの科学思想 佐藤任 東京書籍

19 黄河の覇王―太公望のナゾ 森秀人 講談社

20 古代遊牧帝国 護雅夫 中公新書

21 纏足物語 岡本隆三 東方書店

22 三大陸周遊記 イブン=バットゥータ、前嶋信次訳 河出書房新社

23 歴史序説 イブン=ハルデゥーン、森本公誠訳 岩波書店

24 メロヴィング王朝史話 ティエリ、小島輝正訳 岩波文庫

25 中世地中海世界とシチリア王国 高山博 東京大学出版会

26 地中海 ブローデル、浜名優美 藤原書店

27 リヴァイアサン ホッブズ、水田洋訳 岩波文庫

28 市民政府論 ロック、鵜飼信成訳 岩波文庫

29 青きドナウの乱痴気―ウィーン1848年 良知力 平凡社

30 帝国主義 レーニン、宇高基輔訳 岩波文庫

31 西部戦線異状なし レマルク、秦豊吉訳 新潮文庫

32 支配の代償 木畑洋一 東京大学出版会

33 カタロニア賛歌 オーウェル、都築忠七訳 岩波文庫

34 漢民族の源流を探る 中野謙二 エフ・アイ・プラン

35 科学革命の構築 トマス=クーン、中山茂訳 みすず書房

36 クビライの挑戦 モンゴル海上帝国への道 杉山正明 朝日選書

37 戦争と平和 トルストイ、工藤精一郎訳 新潮文庫

38 カラマーゾフの兄弟 ドストエフスキイ、原卓也訳 新潮文庫

39 民俗学の旅 宮本常一 講談社学術文庫

40 神統記 ヘシオドス、廣川洋一訳 岩波文庫

41 方法序説 デカルト、谷川多佳子訳 岩波文庫

42 善悪の彼岸 ニーチェ、木場深定訳 岩波文庫

43 論理哲学論考 ウィトゲンシュタイン、植田重雄訳 岩波文庫

44 ユートピア トマス=モア、平井正穂訳 岩波文庫

45 海が創る文明 家島彦一 朝日新聞社

46 ケルト人の世界 パウエル、笹田公明訳 東京書籍

47 デカメロン ボッカチオ、柏熊達生訳 ちくま文庫

48 現代史の幕開け―ヨーロッパ1848年 河野健二 岩波新書

49 二〇世紀の世界史 木村英亮 山川出版社

50 民族と国家 山内昌之 岩波新書

 

古本屋巡り

05040058 梅田勇太

 私の部屋に偶然にも本の雑誌6月号があり、さらに偶然にも「北の国古本買いまくりツアー顛末記」と題して札幌の古本屋の紹介記事が載っていた。一瞬、この記事をそのままレポートに流用できるのではないか、という悪い考えが頭をよぎったが、残念な事に今回は役に立ちそうになかったので実行に至らず。この記事によると北大周辺には古本屋が集中しているので、今回は北大周辺の古本屋を巡ってみることとする。

 最初に行った弘南堂書店は格調高い雰囲気の店で、文庫本は新書とともに店の入り口付近に固まっている。専門書中心の店のようだ。まあ古書専門店はどこも似たようなものだとは思うが。それでもこの店の岩波文庫の棚はなかなか充実しているのだが、他の文庫はあまりない。娯楽的なものより学術的なものを優先しているのだろう。専門書の棚には歴史・文学・思想・芸術のほか北海道関係の本もあるのは北海道の古本屋らしいところだ。ここでは岩波文庫から「マヌの法典」と「リグ・ヴェーダ讃歌」のインド関係の2冊を購入する。特にインド思想に興味があるわけではないが、高校の世界史の教科書に載っている本は全部読む、という私の野望を成就するためには避けては通れない。

 次に行った南陽堂書店は弘南堂書店と似た雰囲気の店だ。文庫本もやはり入り口付近に置いてある。2階は植物や昆虫関係の本が置いてあるらしいが、興味ないので見ず。新書の100円コーナーがあったが、これといって欲しい本は無かった。この店で買ったのは、やはり岩波文庫から「論語」と「学問のすすめ」の2冊。「論語」は酒見賢一氏の「陋巷に在り」を読んで孔子に興味を持っていたから。「学問のすすめ」にはおそらく前の持ち主によるものと思われるが、裏表紙に何か書き残しがしてある。しかし達筆過ぎて読めない。とりあえず古いのは確かだ。本文も旧字体で書かれているので、読むのに苦労しそうである。

 南陽堂書店と同じ建物の3階にあるケルン書房は、上の2つの店とは随分雰囲気が違う。昔の漫画があったり店内に天空の城ラピュタの曲(タイトルは忘れた)が流れていたりして、オタクっぽい(それも少し昔の)。店員さんも心なしかオタクっぽかった。ドグラ・マグラが目についたけど、買わず。岩波文庫も無いようなので、ここで特に買う本はなし。居心地はいいので、暇なときにここに来るとなごめるかもしれない。

 北12条書店は文庫本がたくさんある。ただ岩波文庫のコーナーは全巻揃っていないものが多い。昔の雑誌や漫画が置いてあったり、ミステリ小説が多かったりするので、娯楽作品中心の店なのだろう。レシートを出してくれなかった。ここでは新潮文庫から3冊購入。「史記の風景」宮城谷昌光著、「孔子」井上靖著、「黒い雨」井伏鱒二著。宮城谷昌光氏は私の大好きな作家なのでまだ読んでいない本を選んでみた。井上靖氏は私の故郷旭川出身と言うことで気になってはいたのだが、「しろばんば」しか読んだことがなかったので選んだ。「黒い雨」は高校生の頃には読んでいるべきだとは思うが、まだ読んでいなかったので選んだ。しかし、新潮文庫を選んだ真の目的はカバー折り返しについている応募マークである。今欲しいのは30冊分集めるともらえる絵本だ。古本の場合はときどき既に切り取られていたりするので、新潮文庫を買うときはよく注意する必要がある。

 薫風書林は思想書中心の店で、かなりの量の本が置いてある。そして外観はとても店をやっているように見えない。初めて来たときは入るのにかなり躊躇した。こういうのも古本屋らしいと言えば古本屋らしいが、もう少し入りやすくしてくれてもいいと思う。店内は通路がとても狭く、完全に一方通行である。不用意に動くと積み重なっている本を崩しかねないので、身軽な格好で行くのが望ましいようだ。「思想」のバックナンバーがあったり、フェミニズム関係の本がたくさんあったりした。ここでは、「自省録」・「創世記」・「ガリア戦記」(当然岩波文庫)を買う。買った本を紙で包んでくれたのは好印象だ。

 今回行った古本屋はいずれも北大周辺だったが、次は駅より南側の古本屋にも行ってみようと思う。ちなみに買った本は夏休みに読むつもりだ。段ボール箱一杯のまだ読んでいない本とともに。

 

 

 

 

読みたい50冊

15040019 佐川 祐喜 

 

イスラーム思想史  井筒俊彦

ヴェニスの商人      シェイクスピア

殉死           司馬遼太郎

星を継ぐもの    J.P.ホーガン

点と線   松本清張

わるいやつら 松本清張

砂の器 松本清張

蒼ざめた礼服 松本清張

隠花平原 松本清張

混声の森 松本清張

黒の回廊 松本清張

ゼロの焦点  松本清張

世界の中心で愛を叫ぶ 片山 恭一

宴のあと        三島 由紀夫

世界名言集

異邦人 カミュ

罪と罰 ドストエフスキー

沈黙の春    レイチェル・カーソン

善悪の彼岸 ニーチェ

声に出して読めないネット掲示板      荷宮和子

隠すマスコミ、騙されるマスコミ      小林雅一

原発への警鐘               内橋克人

伊豆の踊り子          川端康成

舞姫              川端康成

生きることの意味        高史明

鴎 太宰治

人間失格 太宰治

斜陽 太宰治

銀河鉄道の夜 宮沢賢治

よだかの星 宮沢賢治

阿部一族 森鴎外

舞姫 森鴎外

こころ 夏目漱石

硝子戸の中 夏目漱石

我輩ハ猫デアル 夏目漱石

ハリー・ポッターと賢者の石

ハリー・ポッターと秘密の部屋

ハリー・ポッターとアズカバンの囚人

ハリー・ポッターと炎のゴブレット

ユートピア トマス=モア

市民政府論 ロック

饗宴 プラトン

国家 プラトン

メリ-・スチュア-   ツヴァイク

死に至る病        キルケゴール

ブッシュのアメリカ            三浦俊章

ブレアのイギリス             船場正富

声に出して読めないネット掲示板      荷宮和子

黒いスイス                福原直樹

新聞をどう読むか             現代新書編集部

 

 

新入生に勧める三冊の本

15040019 佐川 祐喜

 

1、友情

2、愛と死

 

どちらも武者小路実篤の作品である。武者小路実篤は、人間が生きるために考えさせられることを題材にして物語を書いている。非常にお勧めである。どちらの作品も主人公の周りでおこる友情や愛についての描写がうまくできており、私たちに考えさせてくれるすばらしい作品である。少し紹介するが、内容はぜひ自分で読んで確かめて欲しい。

友情  脚本家の野島は、友人である新進作家の大宮のいとこの杉子を熱愛する。しかし杉子は野島をふり、大宮と結婚を決める。

愛と死 小説家の野々村は、友人の妹夏子と洋行の後に結婚することを誓うが、帰ってきたときに夏子は死んでいた。

 

武者小路実篤は、1885年(明治18年)に生まれた、小説家、劇作家。 学習院を経て、東京大学社会学科中退。トルストイの影響を強く受け、明治四十三年、志賀直哉、 有島武郎らと雑誌「白樺」を創刊し、その指導的立場に立った。 その後、トルストイズムを脱し、自己の充実、自我の拡大を率直かつ大胆に主張した。 大正七年には、理想卿である「新しき村」を九州日向に建設、 中年以降は東洋的楽天思想に安定を求め、その挫折を知らぬ明るさは多くの共感を呼んだ。

http://www.geocities.jp/emirya/public_html/Musya/musya.htmlより)

 

3、蒼の描点

松本清張の作品である。推理小説で、われわれの日常の何気ない生活の中に潜むことを利用したトリックを用いて事件と謎解きが行われる。とっつきにくいかもしれないが、読んでみて小難しい感じはしない。むしろ非常に読みやすく、一度読み始める止まらなくなってしまう。個人的には他の松本清張作品もお勧めである

 

古本屋をめぐって

15040019 佐川 祐喜 

 

 古本屋を何軒かめぐってみた全体を通しての感想を書きたいと思います。まず私は本屋というところが好きです。本屋にいると時間がどんどんたってしまいます。今回の古本屋めぐりもそうでした。

 古本屋は高校時代から馴染みで、特に古本屋に入ることに抵抗はありませんでした。それは漫画がたくさんおいてあるようなところでも漫画は一切おいていないところでも同じでした。漫画がおいてあるようなところはやはり足が漫画に向いてしまいますが、今回は授業の目的もあり、初めて漫画も立ち読まずに古本あさりに没頭しました。今まで文庫の古本なんてたいていすぐに見つかるだろうと思っていましたが、今回それが案外難しいことを発見しました。古本を見つけるというのには二つの意味があって、探している本が古本屋のどこの棚においてあるか見つけるということと、欲しい文庫本が店にあるとは限らず、探し出して手に入れるのが難しいという意味です。今回はそのどちらでも悩みました。古本屋が片付けられているかどうかはまちまちで、雑然としている中から探し出したりするのは大変でした。さらに、どこにどのジャンルがあるかや、探している本が出版社で並ぶのか、著者で並ぶのかなど同じ本でも本屋によって違うので探すのが大変でした。このとき、古本屋にも図書館などと同じようにコンピューターで本を検索して探す仕組みがあれば楽なのにと思いました。まあそんなことは古本屋の人が考えても絶対実現はしないと思いますが・・・。

 今回買った本について説明します。私は小説が好きなので小説しか買っていません。特に好きなのが松本清張なので松本清張ばかり買いました。他にも、自分が読みたいと思ったものしか選んでいません。『十五少年漂流記』はジュール・ベルヌの作品で、他には『海底二万里』を読んだことがあります。『車輪の下』はとても有名な作品です。全部読んだことがないので読んでみようと思いました。『プライベート・ライアン』は言うまでもなく映画を見たので興味を惹かれました。他に映画からの興味で買ったものが『黄泉がえり』です。また、武者小路実篤の『友情』は昔読んだことがあり、とても面白いと思ったことがあるのでつい買ってしまいました。本当は『愛と死』もほしかったのですが売ってないのであきらめました。『緋色の研究』は、推理小説だから買いました。

 今回古本屋を巡って今まで気づかなかったいろいろなことなどに気づきました。古本屋を巡るのはとても楽しかったです。これからもどんどん活用していきたいです。

 

今回買った本

 『十万分の一の偶然』    松本清張

 『蒼の描点』        松本清張

 『内海の輪』        松本清張

 『ゼロの焦点』       松本清張

 『プライベート・ライアン』 M・A・コリンズ

 『緋色の研究』       コナン・ドイル

 『車輪の下』        ヘルマン・ヘッセ

 『黄泉がえり』       梶尾真治

 『友情』          武者小路実篤

 『十五少年漂流記』     ジュール・ヴェルヌ

 

 

 

 

15040109  鈴木 見世
<これから読みたい本50冊>
1、それでも恋がしたいあなたへ    田嶋陽子 徳間文庫
2、あのころ、私たちはおとなだった  A・タイラー  文春文庫
3、セレブな田園     W・ホールデン   文春文庫
4、アダルト・チルドレンという物語   信田さよ子  文春文庫
5、だれかのいとしいひと  角田光代   文春文庫
6、「源氏物語」を旅しよう   瀬戸内寂聴  講談社文庫
7、イスラーム思想史  井筒俊彦  中公文庫
8、韓非子(上)(下)  町田三郎訳注  中公文庫
9、若きウェルテルの悩み  ゲーテ  岩波文庫
10、アポロドートス ギリシア神話  高津春繁訳  岩波文庫
11、列子(上)(下)  小林勝人訳注  岩波文庫
12、柳宗悦  妙好人論集  寿岳文章編  岩波文庫
13、友情について  キケロー  岩波文庫
14、モーツァルトの手紙(上)(下) 柴田治三郎編訳  岩波文庫
15、源氏物語(一)〜(六)  山岸徳平校注 岩波文庫
16、伊勢物語  大津有一校注  岩波文庫
17、レポートの組み立て方  木下是雄  ちくま学芸文庫
18、アラビア・ノート  片倉もとこ   ちくま学芸文庫
19、コーラン入門  リチャード・ベル  ちくま学芸文庫
20、図説拷問全書  秋山裕美   ちくま文庫
21、ラブ・ヴァージョン365日  ペギー&イヴァン・バーク ちくま文庫
22、「分かりやすい表現」の技術 藤沢晃治 講談社ブルーバックス
23、方向オンチの科学 新垣紀子・野島久雄 講談社ブルーバックス
24、名作オペラブックス31 ワーグナー ローエングリン 音楽之友社
25、            15 ウェーバー 魔弾の射手  
26、             1 モーツァルト フィガロの結婚
27、アルジャーノンに花束を ダニエル・キイス  早川書房
28、風と共に去りぬ ミッチェル 三笠書房
29、星の王子さま サン=テグジュぺリ 岩波書店
30、水滸伝 (上)(下)  平凡社
31、図解雑学 県民性  八幡和郎  ナツメ社
32、       iモード  小島邦男   
33、世界殺人者名鑑  タイム・ライフ  同朋舎出版
34、図説世界の監獄史  重松一義 柏書房
35、資料で読み解く国際法(上)(下)  大沼保昭 東信堂
36、不思議なダンス リン・マーグリス+ドリオン・セーガン
37、恋愛と性愛  早稲田大学出版部
38、Coming OUT! 笹野みちる 幻冬舎
39、女神 性と愛の人類学 田中雄一 平凡社
40、社会的ひきこもり 斎藤環 PHP新書
41、ロシア その歴史と心 藤沼貴 第三文明社
42、論語TU 貝塚茂樹訳 中公クラシックス
43、諸子百家文選 池田知久 研文社
44、現代思想の遭難者たち いしいひさいち 講談社
45、図解雑学 深層心理テスト さくら美月 ナツメ社
46、スラヴ吸血鬼伝説考 栗原成郎 河出書房新社
47、本当は恐ろしいグリム童話 桐生操 KKベストセラーズ  
48、クラシック・マジでやばい話 許光俊 青弓社
49、五輪の薔薇 (上)(下) チャールズ・パリサー 早川書房 
50、2020年からの警鐘 @B 日本経済新聞社

 

 

<新入生にお薦めの本>

@海がきこえる/海がきこえるUアイがあるから   氷室冴子 徳間文庫

 ジャンルは小説です。私が読んだのは文庫でしたが、文庫で無いものもあるようです。二冊もので「海がきこえる」に始まり「海がきこえるUアイがあるから」に続きます。内容は主人公の男子が大学進学をきっかけに上京して一人暮しをはじめ、友人関係、恋愛関係、さまざまな経験をしてゆく様子を描いたものです。これだけでは結構平凡な恋愛小説のように思われるかもしれませんが、私がこの本を気に入ってお薦めしたいと思ったのは、なんといっても「純粋さ」です。もっと具体的にいえば、汚いところがなくて、かつ等身大で登場人物を感じられるところに魅力があると思います。

 私がこの本を読んだのは高校3年生のときでした。私もちょうど県外の大学へ進学し親元を離れることを考えていた時期だったからこそ、余計に主人公に共感できる部分が多かったのかもしれません。大学に入ったばかりの新入生にもぴったりだと思います。それぞれ「これからの大学生活をどう過ごそうか」と考えているときに読むと、「こういうのもいいなぁ」という気持ちになると思います。

 

A雑学新聞        読売新聞社大阪編集局  PHP文庫

 内容は、題名からもわかるように雑学についてです。Q&A形式でたくさんのちょっとした雑学がたくさん載っています。1つ1つについての解説が短いので、あまり時間がないときでも短い休憩時間などにちょっとずつ読めます。私がこの本を購入したのもこの理由からでした。なかなかまとまった読書の時間が取れないけれど、この本がったら数分でもいくつかの知識(雑学?)が得られるなぁと思って買いました。

 

B源氏物語

 作者はあまりにも有名だし、いろいろな出版社から出ているので省略します。

 初めて源氏物語に触れたのは高校のときでしたが、それ以来お気に入りの古典No.1です。主人公の源氏の色好みにはあきれる部分もありますが、源氏の周りの女性たちがみんなそれぞれ個性があって大好きです。といっても原文で読むのはあり程度の知識と根気が必要です。私の場合、原文で読んだ部分もありますが、ほとんどの部分は現代語訳付きのもので読みました。しかし現代語訳付きのものは読みやすいも代わりに、抜粋の場合が多いので最初から最後まで読むことは難しいと思われます。

 

 

15040109 鈴木見世 古本屋を訪ねて
 73日(日)に友達と古本屋巡りをした。そのときに感じたことを「古本屋巡り」にとらわれず書きたいと思う。
 地下鉄18条駅から札幌駅方面にかけて5件の古本屋を訪ねた。「古本屋」というものを訪れるのは初めてだった。今まで古本屋を訪れたことがなかったのは、なぜか古本屋というと汚いイメージをいだいていたからだ。本に限らず人が一回使ったものを買うことに抵抗があったので古本屋にも入りづらかった。そのため正直言うと今回の課題には気が進まなかった。ところが実際に行ってみると新しい発見もあり、思いのほか楽しんでしまった。友達と行ったのがよかった。古本屋の話題と少しそれてしまうが友達とゆっくりとした時間を過ごしたのはとても久しぶりのような気がした。徒歩で回ったのだが、晴天の下、いろいろな話をしながら、公園に寄ったりしながら歩くのはとても楽しかった。以前授業のプリントで散歩が奨励されていたが、たまに日常のせかせかした気持ちを忘れてゆっくり過ごすことの大切さというか貴重さを改めて感じた。たまにはゆっくりするのもいいなぁと思った。また、私は札幌にきて数ヶ月しか経っていないせいもあって、学校近辺を散策できたという意味でも有意義だった。一人で歩いていては見落としていたものもいっぱいあっただろうが、友達と一緒だったので、普段は見過ごしているようなことに改めて気がつかされたりなど発見も多かった。
 話を本題に戻して古本屋の感想はというと、思っていた以上に清潔感があったのと、本の品ぞろいの多さにびっくりした。古本屋といえば、店の中には古い紙匂いがたちこめていて、ほこりをかぶって薄汚れた本が無秩序に積み重なっているようなイメージを抱いていたが、訪れたいずれの店ももっときちんとしていた。本もある程度秩序だって並んでいたし、本のなかにはビニールがかけられいるものもあった。品ぞろいも豊富だった。もう紙が黄ばんだよう文庫ばかりだと思っていたが、文庫はもちろんのこと、雑誌、実用書、辞書まであったのにはびっくりした。思わず「辞書は普通に買えば高いものが多いし、値段の割に必ずしもたくさん使うとも限らないのだから辞書は古本屋でいいよなぁ」と思ってしまった。ずっと昔の雑誌なんかも、集めている人にとっては貴重なんだろうなぁと思った。漫画がたくさん置いてあるところもあった。ジャンルはアダルト漫画から少女漫画まで、1つの巻だけのものからシリーズで全巻そろっているものまで様様あってびっくりした。

もう一つびくっりしたことは、意外と見ていて飽きないということだ。本と漫画がたくさんあった或る店では時間を忘れて長居してしまって、気がついたら外が暗くなりかけていた。普通の本屋も本がたくさんあるという点で確かに見ていて飽きないが、古本屋にはそれに加えて「独特の居心地の良さ」のようなものがあるように思われた。古本屋の店の照明や簡素な本の包装が「形式ばらない」落ち着いた雰囲気をかもし出していた。  「古本や巡りの感想2」に続く

 

15040109 鈴木 見世 
「古本屋巡りの感想1」より続く
 はじめはやはり自分が古本屋にいるということに多少違和感を覚えたが、3件目あたりになると古本屋の雰囲気にもだいぶ慣れてきた。新しめの本から紙が変色しているような古い本までたくさんの本に囲まれていると、率直に感じたことは「知るということは実に奥深く、私たちは生きているうちに、この世に存在する『知識』と呼ばれる全てのもののうちのどれほどを知ることができるのだろうか」という事だった。こう言う気持ちになったのは初めてではなかったが、古本屋でこういう気持ちになったのは、たくさんの本の並ぶ店を後にするときに知識を置き去りにしているような気がしたからだ。古びて触りたくないほどに汚れた本も、勇気を持ってページをめくってみると一生の糧となるような知識が書かれているかもしれない。そう考えると、自分は今まで、巡り会いうる知識をいかに素通りしてきたことかと思わずにはいられない。
 ところが上の気持ちに矛盾するようだが、古本を買うことには気が進まなかった。古本を見ているのは楽しくて、この本にはどんな知識が詰まっているのだろうとわくわくしさえする部分もあった。しかし実際に古本が自分の所有物となるとかなり抵抗があった。知識を得たいという気持ちはあるが、書物という形、しかも初めて手にする古本という形が、抵抗感を与えた。古本を買うのに気が進まない自分に直面して、「自分はなんと読書嫌いなのだろうと」自分でも驚いてしまった。不充分な知識しかもたないくせに、知識の収集の手段にこだわっているようではまだまだ本当の知識人からは程遠いなぁと感じられた。この事実を知ることができただけでも成果といえば成果だが。
 このように、古本屋を訪ねて最終的に感じたことは、知識を置き去りにしているような焦燥感に似た気持ちと、古本を買うことに抵抗を覚える自分に対する驚きであった。なんであれ、今回古本屋を訪ねたことは新しい世界を知ることができたという意味でよかったのではないかと思う。

<私が買った十冊>
 普段あまり読書をしないもので、とりわけ好きな作家、ジャンル、出版社などはないので、良くも悪くも適当に選んだ。有名な本で題名は聞いた事があるが、いったいどんなことが書いてあるのだろうという気持ちで買ったものが多かった気がする。古本は値段が手ごろなのでいろいろ冒険できる点でうれしい。
<
提案>
 今回実際に古本屋巡りをしてみて感じたのだが、買う本の冊数に条件を与えないほうがよいのではないだろうか。古本屋は見ているだけでも楽しめるし、得られるところがたくさんあるように感じられた。もちろん気に入った本があってそれを購入することも楽しみのひとつだ。しかし冊以上とか冊と言うように購入する本の冊数を指定されると、買わなきゃ買わなきゃと焦ってしまって余計な事に気を回してしまい、楽しめるものも楽しめなくなるような気がした。

 

 

 

 

志村 恭通

 7回目 @読書リスト 読みたい本50

三笠書房 

  知的生きかた文庫 

   一分間朝礼話材200   生きる財産となる名言大語録

   クスリのいらない健康法  いかにして自分の夢を実現するか

   日本の歴史がわかる本   この一冊で宗教がわかる

   絶対困らない議論の方法  トリックの心理学

   あなたの健康を保証する本 うまい!と言われる文章の技術

   人の心を読む法      記憶力がいままでの10倍よくなる法  

   食べる健康早わかり事典  兵法のすべてがわかる!

   話し方の技術       心理分析が出来る本

   心理操作が出来る本    身体の疲労を早くとる本

   超右脳革命        朝10分の気孔術

   スーパー速学術      実践孫子の兵法を生かす本

   男の器量         この一冊で世界の国がわかる

   ユーモア話術の本     資格がいままでの10倍早くとれる本

   気のきいた話し方     クスリをいっさい使わないで病気を治す本

   自分の中に奇跡を起こす  世界の歴史がわかる本

  王様文庫

   たちまち上手くなる絵の本 気のきいたマナーがわかる本

   よのなか入門       2週間で驚くほど目がよくなる本

 PHP研究所

  PHP文庫

   和食ワザあり事典     こんな小さなことで愛される77のマナー

   指導者の条件       相対性理論を楽しむ本

   裏インターネットの事件簿 子供を伸ばす魔法のことば

   大学教授になる方法    47都道府県うんちく事典

   受験は要領        

 その他

   英語の壁         おじさん、語学する

   塾の力          新理系革命

   語学で身を立てる     サプリメント小事典

   3時間睡眠

 7回目 Aおすすめの本3

 @超短眠熟睡法   藤本 憲幸

 この本はまずタイトルのとおり短く深く寝る技術を紹介しています。彼いわく睡眠とは量より質つまり睡眠の深さしだいで睡眠時間はいくらでも減らせるらしく、3,4時間は当たり前、1時間とかでも可能であるようだ。実際にすべてを試したわけではないので体感してはいないのだがその一部を紹介しよう。

まず起きる時間を一定にすること。どうやら体内時計がリセットされるらしいが詳しいことはよくわからない。ちなみにおきる時に息を止めるとどうやら身体が刺激されて起きやすくなるようだ。また足を寝る前にあたためたり、固い布団や通気性のよい枕を使うことも大事であるらしい。またなによりこの本の特筆すべきことは短眠の技術だけではなく短眠で成功した人の人生が数多く紹介されていることだ。ナポレオンから始まり東洋の魔女と呼ばれた女子バレーの選手達とその監督、一時間睡眠で東大トップ卒の栄冠を得た外国人の話など努力の大切さ、また常識を打ち破ることの意義を学んだ。是非読んで欲しい。

 A超右脳活用ノート  七田 眞

 これは受験後ヒマな1ヶ月で僕が学んだ自己啓発の本で文章が非常に少なく本というより練習帖と言うようなシロモノです。記憶力、速読力、企画力、語学力の4つのパートに分かれており具体的なトレーニングやその時間や効果、到達目標日数など他の自己啓発の本に比べると非常に実践的であるところがおすすめです。呼吸法や目の使い方、音読の大切さなど生活に生きるなにかを学んだ気がします。ここで自己啓発術の本によく載っている丹田呼吸法というものを紹介します。これは椅子に座って6秒ほどで息を吸い12秒ほどで吐き出すという単純なものですが、吐き出すさいに両手をおへその部分(丹田)にのせ息を吐き出すことによって丹田をぺったんこにするという意識が必要なようです。これを何回かやる事で集中力が増し、記憶力、速読力を高める基礎トレーニングにもなるようです。

 B言葉の心理術    多湖 輝

 この本は僕が心理術に興味を持っていたさいに見つけたもので微妙な言葉の表現によって人間のとらえかたは全然違うということを具体例を用いて分かりやすく説明した本で実際に使える心理術も数多く紹介されています。これに関してもいくつか例を紹介すると、何かイベントでスピーチをする際に緊張してしまったらスピーチで「あがっています。」と実際に言うと緊張がほぐれるということや相手にとって悪い情報を伝える時に激励とほめ言葉ではさんで伝えるなどといったものがあります。もともと僕は学問としての心理学に興味があるわけではなく自分や他人を自由にコントロールできるテクニックを得たいと思っているのでピッタリの本でした。

 8回目

まずは今回まわった古本屋とそこで手に入れた本を紹介します。

  麻生古書   草枕 by夏目漱石 人形の家 byイプセン

  和泉堂書店  超能力から能力へ by村上龍 だから猫と暮らしたい by宇都宮直子

  南陽堂     健康法のすべて by田多井吉之助 家庭の法律 by川島武宣

  弘南堂     中学生 その日々 by望月一宏 哲学の現在 by中村雄二郎

   ブックオフ   相対性理論入門 by内山龍雄 一月一話読書のこぼれ話 by准陰生

 では早速レポートの内容に入っていきたいと思いますが、感想が長いので上記の中から3つに絞って感想を述べたいと思います。まずは麻生古書についてですが、あそこは麻生の中心にある5本の道路の一角にたたずむ何かこうごちゃごちゃとした古本屋らしい古本屋でした。店の中だけではなく外にまで古本のつまった本棚が飛び出ているところが特徴です。中の様子は本棚が天井近くまで伸びており、壁中が本のような感じでまさに本の森といったところでした。他の古本屋と比べるとやや狭めであったがそのぶんぎっちりと本が詰まっていました。なにしろ普通に歩くのですら大変なのですから……。さらに本が多すぎて店長の顔がよく見えなくレジもあるんだかないんだかよくわかんない小さなものでした。具体的にどんな本があったのかというと正面の目立つところには小説やエッセイなどの文庫本が主でしたが奥のほうにはマンガも多くさまざまなジャンルの本がありました。全10巻の歴史の本(地面においてあり腰の高さまであった)から学習参考書に趣味・資格の本さらにはアダルトコーナーまでもがあることには驚きました。その古本屋の風貌や外見からして堅い本が中心であるかと思いきやさまざまな本が置いてあるという不思議な本屋でした。だからこそ歩きにくくなるほどの量の本があるのかもしれない。要望を言えば100円の本をもっと増やして欲しい。よさそうな本は安い(半額)といっても3,400円します(新書系は特に)。これを古本と言えるのでしょうか。100円コーナーを是非作って欲しいと思います。ちなみにこの古本屋は以前強盗に入られたことがあるようです。最後にここで買った本は、夏目漱石の草枕とイプセンの人形の家で安かったからというのもありましたが名作に一度触れておきたかったこととタイトルに妙に惹かれたことが主な理由です。本はけっこうぼろぼろで家の本棚に置きたくは無い気持ちもありましたがそれもまた味があっていいものです。

 次に述べます古本屋は北大の側にあり、この講義をとっている人には馴染み深い南陽堂という古本屋にスポットを当ててみたいと思います。この古本屋の内装は思っていた以上にすっきりしていましたが本の内容が他の古本屋と比べ堅いところがありました。まず文庫は岩波、新潮を中心とした知識人が読むようなものが中心で(と言っても文庫自体少ないが)他にも厚い歴史書や源氏物語などといった古典などが多く、それもやたらと古そうで威厳を感じました。中には巻物なんかもありました。さらに奥へ行くと哲学や経済学、心理学といった学門的な本がたくさんありましたが一番僕が嬉しかったのは物理や化学関連の専門書が豊富だったところです。理系の専門書というものは非常に高価で、欲しい参考書を全部普通の本屋で買うと10000円を軽く超えることもよくあります。なにしろ一冊2700円くらいするものもよく見かけます。こういった学術書はたいてい古本屋では半額なので普通に本屋で買うよりも1000円以上得をすることもしょっちゅうです。さすが北大近辺の古本屋といったところでしょうか。図書館で何度も貸し借りをするよりは都合がいいかもしれません。お金の無い北大生にとってはまさに正義の味方です。というよりむしろ北大生や教授でないと見る気がしないような本がほとんどです。ここの本屋の特徴をもうひとつ述べると、一般的に古本屋のカウンターには老人が一人ぽつんといすに座っているものだと思われますが。ここには中年の女性が3,4人にお父さんのような人、さらには子供までいます。家族で経営をしているのでしょうか、古本屋にもかかわらず少々にぎやかな面もありました(特に子供)

 3つ目に以前とは少々趣を変えてまさに現代の古本屋であるブックオフを見ていきたいと思います。ここでまず一番印象に残ったことは他の古本屋に比べて圧倒的に広くさらにすっきりしていて、他の古本屋のような独特のにおいが無いことでした。古本は巻がそろえられていて整然と並んでおり100円コーナー、200円コーナー、マンガコーナー等と分かれていて機能性が充実していました。店内は明るくクーラーも付いていてレジも多くて古本屋というよりただの本屋という印象が強かったです。客層も以前見てきた古本屋は中高年の男女が主でしたがここは学生などの若者が比較的多めでした。古本のジャンルも堅い内容のものは少なくゲームの攻略本等もけっこうありました。さらには古本屋であるにもかかわらず音楽CDやレコードのたぐいがやたらとそろっていました。ここでも100円の本を何冊か買いましたがそこで課題とは違う文庫でしたが興味深いものがあったのでそれも数冊買いました。なにしろ100円なので気がね無く買えます(ケチなので普通の本屋では買う前に相当迷います)。参考までに…… 体の疲労を早くとる本 by鈴木弘文 人に好かれる心理学 by島田一男 ちなみに今回は出版社に制約があったから岩波などの本を買いましたがもし無ければ上記の2つのような自己啓発本ばかりを買ったかもしれません(知的生きかた文庫等)

 最後に古本屋めぐりを終えて買った本を縦に積んでみるとたいした高さではなく本の中身も紙質が悪く変な臭いもしましたがさびれていて骨董品ガ置いてあるような威光を感じました。今回買った本はしばらく本棚に眠っていることとなるでしょうが、いつか読む日を信じて同じ本棚でもなるべく目立つところに置いておきたいと思います。

 

 

 

 

15040018 酒井 壱幸

新入生に薦める本

1. 夢をつなぐ

 この本の主人公である河合純一さんのことを知らない人も多いだろう。彼は障害者のスポーツ大会、パラリンピックの水泳競技に出場し、2大会(バルセロナ、アトランタ)で合計14個の金メダルを取った方である。彼は生まれてくるときに目を傷付けてしまい、中学生のときに全盲になってしまった。目にハンデがありながらも彼は幼い頃から活発で何事においてもまじめに取り組んでいた。健常者と同じように勉強を頑張り、運動をし、多くの習い事に通い、毎日日が暮れるまで遊びまわっていた。まったく目が見えなくなってしまった後でも絶望することなく水泳を続けた。まったく目が見えないというのは不安でたまらないだろうに。この本を読むたびに、もしもこれが自分だったら…とよく思う。果たして自分は彼のような生き方ができただろうか。

 彼がすごいのはそれだけではない。早稲田大学に進学し、教員免許を得、小学校教師として働いている。相手は普通の公立学校の生徒である。この本を読めば、自分も頑張ろうという気持ちがわいてくる。

 

2. 世界がもし100人の村だったら

 いま、世界の人口は約60億人と言われている。そのなかには豊かな人も、そうでない人も様々な立場の人がいる。しかし、今の自分がどの立場にいるかはわかりにくい。文化や環境の違いから人によって価値観は違ってくる。自分が思っていたことと実情は異なっているかもしれない。この本にはいくつかの項目があり、それらに今の自分の状況を当てはめることでほんとうに置かれている立場がわかるだろう。そして日本にいては知り得ない(というかあまり気にしない)情報も手に入れることができるだろう。家もなければ飲み水さえ確保できない人、1100ドル以下で生活する人、内戦に駆り出される少年、兵隊にレイプされる少女…。さらに詳しいデータが知りたいひとは「世界がもし1000人の村だったら」を、また日本においての立場を知りたければ「日本がもし100人の村だったら」を薦める。解説も詳しく世界の実情を知りえるだろう。

 

3. アホでまぬけなアメリカ白人

 イラク戦争、北朝鮮の核問題、世界で起きるテロ…国際問題に必ず絡んでくる共通因数…それがアメリカ、ブッシュ政権だ。この本は今をときめくあのマイケル・ムーア氏によって書かれたものだ。彼は自分の立場など省みずさまざまな人にインタビューをし、彼が思うがままブッシュ政権の危険を全世界に発信している。ここでは大統領のみならず、国防長官、国務長官、大統領補佐官等一人一人についてコメントしている。この本の特徴として、著者が同じアメリカ人であることが挙げられる。国内の人でさえ、この国の危険、矛盾を感じているのだ。また我々のような異国人でもこの内容を信頼することができる。これを読めばますますブッシュ政権に疑問を感じるであろう。

 

15040018   酒井 壱幸

 

 

読みたい本のリスト50

 

タイトル                 著者        出版社

 

1、行政って何だろう             新藤宗幸      岩波出版

2、アメリカ 黄昏の帝国           進藤栄一

3、ブッシュのアメリカ            三浦俊章

4、忘れられた日本人             宮本常一

5、若者の法則                香山リカ

6、豊かさとは何か              暉俊淑子

7、豊かさの条件               暉俊淑子

8、法廷の中の人生              佐木隆三

9、政治献金                 古賀純一郎

10、パソコンで無駄に忙しくならない50の方法 舘神龍彦

11、アサノ課長が知事になれた理由       菊池昭典

12、代議士のつくられ方            朴 吉吉煕     文藝春秋

13、知事が日本を変える       浅野史郎/北川正恭/橋本大二郎

14、総理大臣とメディア            石澤靖治

15、隠すマスコミ、騙されるマスコミ      小林雅一

16、日本の童貞                渋谷知美

17、コンビニ・ファミレス・回転寿司      中村靖彦

18、総理を操った男たち 戦後財界戦国史    田原総一郎     講談社

19、渡邊恒雄 メディアと権力         魚住 昭

20、原発への警鐘               内橋克人

21、新聞をどう読むか             現代新書編集部

22、検証テレビ報道の現場           小田切 誠

23、世間とは何か               阿部謹也

24、アメリカ大統領の嘘            石澤靖治

25、大学生のためのレポート・論文術      小笠原喜康

26、黒いスイス                福原直樹      新潮社

27、聖徳太子はいなかった           谷沢栄一

28、天皇家の財布               森 暢平

29、スパイは何でも知っている         春名幹男

30、日本はどう報じられているか        石澤靖治

31、TVメディアの興亡            四方田犬彦     集英社

32、中坊公平・私の事件簿           中坊公平

33、ナポレオンを創った女たち         安達正勝

34、平成三十年 上・下            堺屋太一      朝日新聞社

35、NAKATA 中田英寿イタリア戦記    ステファーノ・ポルドーニ

36、清潔はビョーキだ             藤田鉱一郎

37、悪魔のパス、天使のゴール         村上 龍      幻冬社

38、恋愛の格差                村上 龍

39、天下御免の向こう見ず           太田 光

40、世界の中心で愛を叫んだけもの     ハーラン・エリスン   ハヤカワ書房

41、消えた少年たち 上・下       オースン・スコット・カード 

42、ブレアのイギリス             船場正富      

43、この世で一番の贈り物         オグ・マンディーノ

44、昭和を振りまわした6人の男たち      半藤一利      小学館

45、本田宗一郎の名言             梶原一明      学陽書房

46、声に出して読めないネット掲示板      荷宮和子      

47、帰ってきた大問題             いしいひさいち   創元社

48、日本が知らない北朝鮮の素顔        鄭 銀淑      双葉社

49、大人失格                 松尾スズキ     光文社

50、一生お金に困らない「貯金生活」ができる本 池田武史      三笠書房

 

 

古本屋ジャーニー

 

〈初日〉  630日 行った古本屋;南陽堂書店・北12条書店

 

 小雨の降る中、古本屋ジャーニーが始まりました。まず向かったのは北大のすぐ南の南陽堂書店。何回かお店の前を通ったことはあるのですが、入ったのは初めてでした。というか、漫画以外の古本屋に入ること自体人生初体験でした。中は思っていたよりも狭く、本屋というよりも書庫といった雰囲気で、なんとなく空気が乾燥している感じでのどが痛かったです。文庫は意外と少なく、なにか難しそうな本が多くを占めていました。働いている人は中年の女の人が3人。3人ともエプロンをしていて、近所のおばさんといった感じでした。無口で、店に入ってきたときも挨拶はありませんでした。レジの奥は小さな会社の事務所といった感じで散らかっていましたが、店の中でただ一ヶ所、神棚だけがとてもきれいだったのが印象的でした。本を2冊買い、グループの人に教えてもらった古本屋のガイドブックをタダでもらい、店をあとにしました。

 次に、そこから北へ向かい道の反対側にある北12条書店に行きました。はじめ店の外観を見たときは、文庫というよりは漫画ばかりが売っていそうな感じで少々不安でしたがとりあえず入ってみることにしました。すると、またも自分の予想に反して、たくさんの文庫本が並んでいました。店の中は広く結構きれいで、ジャズミュージックが流れていて、いい雰囲気が漂っていました。ただ、僕たち以外にお客さんがいなかったのが気になりましたが…。店の人は選挙カーが来るたびに店の外に出てみていました。選挙の話で盛り上がっていました。ここでも2冊の本を買い、店をあとにしました。本当はすぐ北にある弘南堂書店にも行きたかったのですが時間が遅く、すでにしまっていたので次回に持越しです。

 

     〈今日買った本〉 

南陽堂書店;◇レポート・小論文・卒論の書き方 

◇銀河鉄道の夜 

  

北12条書店;◇アメリカン・ドリーム

◇だから私は嫌われる

 

〈2日目〉 7月3日 行った古本屋;北天堂書店・弘南堂書店・薫風書林

 

 前回とは違い日差しの強いなか、2回目の古本屋ジャーニーが始まりました。まず初めに向かったのは北18条駅のすぐ脇にある北天堂書店。工事用の足場が組まれている入り口を開け、店の中にはいってまず目にはいったのはエロ本が並んだ棚だった。なんだこの店と思って顔をあげると店の奥にいる若い(?)女性店員の方と目が合ってしまいいきなり気まずい雰囲気…。その奥にようやく文庫の棚を発見。棚は岩波文庫の本が大部分を占めていて、冊数もたくさんありました。外国の作品が多かったように思います。とりあえずできるだけ自分の無実をアピールしようと適当に本を取って読んでみるもののあまり興味のない内容でまたピンチ。結局1冊選び、最初の棚の前を通らないように遠回りをしながら、さっさと店をあとにしました。

 自転車に乗って南へ向かい前回入ることができなかった弘南堂書店に行きました。いかにも歴史がある感じのたたずまいで、中には多くの本がたくさんあり棚にびっしり詰まっていて多くのお客さんが本を読んでいました。入り口の横には50円〜100円の文庫本コーナーがあり、今までの行った店の中で1番お得であり、手も出しやすかったので一気に4冊買うことにしました。ここのお店で最も驚いたのはなんとクレジットカードが使えるということでした。カードが使える=ちょっと高級というイメージを持っていたので(タダ世の中を知らないだけですが…)結構繁盛しているんだろうなと勝手に思いました。

 最後に、南陽堂書店でもらった本に紹介されていた薫風書林というお店に行きました。ここはめぐった5件の古本屋の中で1番印象が残りました。まず店がどこにあるかわからない。普通の民家の中にまぎれていて、かつ目立つ看板もなく、よく見ないと通り過ぎてしまいます。次に店が小さい、というか行動範囲が狭すぎる。なぜなら本が多すぎるからだ。これを聞いただけではあまりイメージがわかないかもしれない。この店では本棚はあるもののあまりにも本が多すぎるため、本棚の前に本を積んでしまっているのである。(物置状態)むしろ積んである本のほうが多いくらいでした。そのため、本の間を通るのがとても恐く、慎重になってしまいます。(実際、数回本を落としてしまいました)さらにここは分野別に本がおかれているため文庫本があらゆるところにありかなり困りました。とりあえず本を選び買おうとしたところ、あることに気づきました。店員さんが見当たらないのです。実は積まれていた本の裏側に隠れて見えなかったのです。さらに店員さんの後ろにもタイトルの見えない本が詰まれていました。この本は売り物なのだろうかという疑問が浮かびました。店員さんは丁寧に本を紙で包んでくれ、僕は店を出ました。そこで、はいるときには意識しなかったのですが、多くのダンボール箱が積まれているのに気づきました。まさかと思い、店員さんにばれないように(死角だからばれるはずもないのですが…)こっそり中を見てみるとやはり中は本でした。本当にこの店には驚かされました。ほかの人にもこの古本屋を訪れてもらいたいと思いました。

 

     〈今日買った本〉

      北天堂書店;◇オイディプス王

 

      弘南堂書店;◇こころ

     いのちを守る安全学

     こころ

     男のポケット

 

      薫風書林;◇シーザーとクレオパトラ

 

 〈古本屋ジャーニーを終えて〉

 昭和26年発行の本を見つけたときには、自分よりも遥かに長くこの世に存在し続けるその本の歴史を感じました。本棚からとびだす、もうさびきった釘を見たとき、その古本屋の歴史を感じました。古本屋の店員の本に対する愛(執着?)を感じました。大変な課題だったけれど、いままで出会ったことのない世界の一部を見た気がしました。

 

 

 

竹腰達哉

.新入生に薦める本

高校生のときはあまり本を読まなかったので、偉そうなことはいえませんが、そういう方でも読めるような本の中で、幅広い教養を身につけるのによい本を選んでみました。

 

『世界を変えた科学の大理論100』(大宮信光、日本文芸社)

この本は物理学、化学、生物学、地学など科学全般のいろいろな理論について、やさしく説明していて、科学の全貌を一通り見通すことができると思います。理系の方はもちろんしっかりと科学を学ばなければなりませんが、いわゆる文系の方も教養として科学というものを知っていてほしいと思います。科学活動というのは、真理の追究です。もちろん学問というものはすべてそれが最終的な目的ですが、だからこそ科学的な手法やものの考え方は欠かせません。特に今日では、金融工学や物理経済学という分野が進歩を遂げているように、理系と文系の垣根は小さくなりつつあります。このように、これからは物理や数学の理論が社会科学分野でも応用されることがより増えると思われます。とりあえず科学に触れてみたいと思った方には、この本を入門としておすすめします。

 

『海底二万マイル』(ジュール・ヴェルヌ)

と、いうよりはジュール・ヴェルヌの本をいろいろお勧めします。19世紀のフランスのSF作家で、『十五少年漂流記』を読んだことのある人は多いと思います。『海底二万マイル』では潜水艦が、『月世界旅行』では宇宙船が出てきます。そのほかヘリコプターやミサイルなどもでてきますが、ヴェルヌは100年以上後の未来の発明品の予測をしていたことになります。小学校の時、図書室などで読んだことのある人も多いと思いますが、100年以上も昔の、ましてSF小説が、現在でもアニメ化されたり小学校の図書室で読まれたりしているというのは、とてもすばらしいことだと思います。科学やSFが好きな人はもちろん、そうでなくてもストーリーは今読んでも古さというものをほとんど感じさせませんので、ぜひ読んでほしいです。(ちなみに映画『Back to the Future partV』を見れば、ヴェルヌが科学者にどのような影響を与えるのか、ということをうかがい知ることができると思います。)

 

倫理の教科書

大学に入ったら倫理の教科書や参考書を、勉強した人もしてない人もぜひ読んでみてください。倫理の教科書に書いているレベルのものは、入門にふさわしいものだと思います。高校の教科書なので、誰でも読めるはずです。実際に読むときは、いろいろな思想を学ぶことも大切ですが、それと同時に、倫理の教科書にのっている本の名前を覚えておくとよいでしょう。改めて教科書を読んでも、真剣に勉強する気は起きないだろうと思いますので、それなら気楽に本の名前をメモしてください。倫理の教科書にのっている本というのは、過去の偉大な思想家が書いた歴史的な名著であり、教養を得るのにふさわしい本ばかりです。教科書を読んだ後で、図書館などでそれらの本を目にしたときにはぜひ手に取ってほしいと思います。

 

 

.これから読みたい本50

 

 

 

タイトル

著者

出版社

「相対性理論」を楽しむ本

佐藤勝彦

PHP研究所

「量子論」を楽しむ本

佐藤勝彦

PHP研究所

宇宙はわれわれの宇宙だけではなかった

佐藤勝彦

PHP研究所

最新宇宙論と天文学を楽しむ本

佐藤勝彦

PHP研究所

世界名言集

岩波文庫編集部

岩波書店

生命と地球の歴史

丸山茂徳/磯崎行雄

岩波書店(岩波新書)

物理学とは何だろうか(上下二巻)

朝永振一郎

岩波書店(岩波新書)

科学の方法

中谷宇吉郎

岩波書店(岩波新書)

平和時代を創造するために

湯川秀樹/朝永振一郎/坂田昌一

岩波書店(岩波新書)

ハッブル望遠鏡が見た宇宙

野本陽代/R.ウィリアムズ

岩波書店(岩波新書)

物理学はいかに創られたか(上下二巻)

アインシュタイン/インフェルト

岩波書店(岩波新書)

アイヌ神遥集

千里幸恵

岩波書店(岩波文庫)

エミール(全3冊)

ルソー

岩波書店(岩波文庫)

ガリヴァー旅行記

スウィフト

岩波書店(岩波文庫)

国家(全2冊)

プラトン

岩波書店(岩波文庫)

資本論(全9冊)

マルクス

岩波書店(岩波文庫)

タイム・マシン 他九篇

H.G.ウエルズ

岩波書店(岩波文庫)

ツァラトゥストラはこう言った(上下2冊)

ニーチェ

岩波書店(岩波文庫)

寺田寅彦随筆集(全5冊)

寺田寅彦

岩波書店(岩波文庫)

永遠平和のために

カント

岩波書店(岩波文庫)

罪と罰(全3冊)

ドストエフスキー

岩波書店(岩波文庫)

地底旅行

ジュール・ヴェルヌ

岩波書店(岩波文庫)

八十日間世界一周

ジュール・ヴェルヌ

岩波書店(岩波文庫)

物理法則はいかにして発見されたか

ファインマン

岩波書店(岩波現代文庫)

なっとくする相対性理論

松田卓也/二間瀬敏史

講談社

なっとくする量子力学

都筑卓司

講談社

心に夢のタマゴを持とう

小柴昌俊

講談社(講談社文庫)

カメラの常識 ウソ・マコト

千葉憲昭

講談社(ブルーバックス)

ニュートリノ天体物理学入門

小柴昌俊

講談社(ブルーバックス)

現代物理学小事典

小野

講談社(ブルーバックス)

図解・飛行機のメカニズム

柳生一

講談社(ブルーバックス)

超ひも理論とはなにか

竹内薫

講談社(ブルーバックス)

味のなんでも小事典

日本味と匂学会

講談社(ブルーバックス)

ヴェネツィア

陣内秀信

講談社(講談社現代新書)

科学の現在を問う

村上陽一郎

講談社(講談社現代新書)

ロボットの心 7つの哲学物語

柴田正良

講談社(講談社現代新書)

地球外生命

大島泰郎

講談社(講談社現代新書)

沈黙の春

レイチェル・カーソン

新潮社(新潮文庫)

注文の多い料理店

宮沢賢治

新潮社(新潮文庫)

旅客機大全

中村浩美

新潮社(新潮文庫)

科学史年表

小山慶太

中央公論新社(中公新書)

アインシュタイン150の言葉

アインシュタイン

ディスカヴァー・21

映画術

ヒッチコック/トリュフォー

晶文社

日本実業出版社

日本文芸社

道具としての物理数学

進化論の不思議と謎

一石賢

山村紳一郎/中川悠紀子

笑う入試問題

新保信長

角川書店

SFアニメの科学

福江純

光文社

戦闘妖精・雪風

神林長平

早川書房(ハヤカワ文庫)

アインシュタインの宿題

福江純

大和書房

北大の125

北海道大学125年史編集室

北海道大学図書刊行会

 

.古本屋ジャーニー 2004 in札幌

古本屋巡りということで、まず私が行って来た古本屋さんを紹介します。

まず一軒目は、北20条のBOOK OFF です。西5条の通りには、古本屋さんがたくさんあるようでしたので、北の方から順番に見ていこうとしたところ、発見しました。後で紹介する東急ハンズの向かいにあるBOOK OFF、そこに比べると小さくて、やや寂しい感じのする店ですが、あんまり混んでいない分だけ、とても落ち着いて本を選べました。古本屋でも、チェーン店だけあって、一般の古本屋にあるような学術的な本はあんまりありません。なんだか中古品店のような感じがしましたが、岩波文庫などもちゃんと置いてあるので、とてもいいと思います。全般的に新書が多いというのもあるかもしれませんが、一般の古本屋と比べると本がきれいで、値段も安いと思います。あとマンガがたくさんおいてあるので、そういうのが好きな人はいいと思います。

西5条をずーっと南下して、次に弘南堂書店に行きました。店は、建物が新しくて、とてもいい感じがします。難しそうな本ばっかりで、一般向けの本はほとんどありません。講談社現代新書、岩波文庫、岩波新書が意外とたくさんあります。あんまりきれいとはいえない本もたくさんありますが、そういう本は値段が安いので、実はお得だったりします。そのほかの本も、まあまあこんなものかなぁというような値段です。

弘南堂書店のすぐ近くに、北12条書店という店があります。BOOK OFFほどではありませんが、マンガもある店です。一般向けの本が多いので、まあBOOK OFFと似たような店です。ただし、一般向けの本について言えば、値段は全般的に高いような気がします。岩波文庫などの本は、ほかの店に比べてたくさん置いてありました。

もうちょっと南にいくと、南陽堂書店とケルン書房の北大正門前店があります。とってもいい場所にあるので、南陽堂書店は何度も行っています。こちらはいわゆる古本屋さん、という感じの店です。弘南堂書店と同じような感じですが、一般向けの本もいくらか置いています。本は弘南堂に比べてきれいな本が多いですが、その分だけ値段が高く感じられます。ちなみにこの店の本は、定価の半額を目処にして値段がつけられているようです。時々定価よりも高い本が混じっていますが、そういう本はたぶん、レア物の本ということではないでしょうか。岩波文庫も絶版になっているものがありますので。2階には植物などの本がありますが、興味がないのでいつも行きません。3階にはケルン書房が入っていて、大変小さくて狭い店です。入り口のポスターが大変いい感じで、店の特徴がすぐにわかります。マンガのスペースが狭い店の中でかなりの面積を占めています。私はほとんどマンガを読みませんので、とりあえず岩波文庫。残念ながら、ほかの店に比べて高いです。また、本の後ろに本が隠れていたりして、とても探しづらいです。そういうのは宝探しみたいで嫌いではないですが。

大通り公園を越えて、路面電車が走っている南1条、東急ハンズの向かいにもBOOK OFFがあります。ここは少し大きい店です。その割に岩波文庫は少ないし、もっと安くてもいいような気がします。本がきれいなのはいいんですが。100円文庫とマンガはたくさんあります。でも、循環が早い店なので、意外と100円文庫にはいい本は少ないなぁと思いました。北20条のBOOK OFFのような、やや小さめのところのほうが掘り出し物もいっぱいあって、いいと思います。

余談ですが、今回の旅?の途中で寄り道した、読書に適した場所を紹介したいと思います。北大の中にも絵になるところがたくさんありますが、こういうところで読書したら絵になるのかなぁというところを紹介します。まずは札幌駅周辺、特に北口には噴水がありますが、このあたりで読書していたら、なんかよさそうです。ところで近くに交番と駐輪場がありますが、この屋上からはちょっと違う景色が見えます。ぜひともここにベンチを置いてほしいものです。あと、大通公園はとてもいいです。ベンチも木陰も噴水もあるので、お祭りさえやっていなければ、読書するにはもってこいだと思います。それからぜひ一度、喫茶店で本を読んでみたいです。そういうところに行ったことがないので。

以上が古本屋巡りの記録ですが、実際にいろいろな古本を買ってみて、考えたことを書いてみます。

私は大学に入るまで、古本を含め、あんまり本を買ったことはありませんでした。どうしてかというと、図書館に行けば読めるので、わざわざ買う必要はないと思っていたからです。小学生ぐらいのときは毎週図書館に行って、本を借りて読んでいたので、そういう考えになったのかもしれません。それでも何冊か買いましたが、読むために買ったというより、収集するために買ったような本ばかりです。

大学に入ってから、教科書を除いて30冊ぐらい本を買いましたが、やっぱり買うときにはコレクションになるかどうかを基準に、買うかどうかを決めてしまいます。さて今回はあえて言うと強制的に、古本を買うことになったわけですが、その本を選んだ理由を考えてみると、どうやら本当に読みたいかどうかではなくて、本棚に飾って置けるかどうかということを基準に、本を選んでいるような気がします。

このことがいいことかどうかはわかりませんが、私にとっては本を買うということの本質は、このことだと思います。私に限らず、お金のある人や急いでいる人などは別でしょうが、ただ本を読むのが目的ならば、まったく買う必要はなく、そういう本は図書館で読めばいいと思います。ところが本を収集することが目的だから、本屋さんで本を買うことになります。あとは値段の問題です。私の基準では、思い入れのあるものや、時々読むことになるような本は新品で、ただ飾るだけのようなものや、なかなか売ってないものは中古で仕入れることにしています。

おそらく古本屋さんの一番のアドバンテージは、やっぱり値段ということだと思います。あんまりお金はないけれど、テレビに出ている学者さんの書斎みたいに、たくさんの本で部屋を飾りたい。そういう人にとっては、実に欠かせないものだと思います。

最近は、学生の本離れが進んでいるといわれていますが、その影響は古本屋さんにも出ているようです。南陽堂書店の人に「さっぽろの古本屋」(2003、ちょっと古いやつだそうです)をもらったとき、何軒か無くなったということを言っていました。本で部屋を飾りたいと思っている私にとっては、とても残念なことです。これも時代の流れですか?

いろいろと古本屋を巡って、少し考えてみたわけですが、もっと古本屋の魅力を考えてみたいなぁと思います。値段という観点だけでなく、まだまだ古本屋の世界というのは、広いものではないかなと感じました。これからも古本屋巡りを続けて、いろいろな本を収集したいと思います。

 

古本屋巡りで買った本

『十五少年漂流記』ヴェルヌ

『君たちはどう生きるか』吉野源三郎

『シンドラーのリスト』T・キリーニー

『老人と海』ヘミングウェイ

『読書について』ショウペンハウエル

『ソクラテスの弁明・クリトン』プラトン

『賃労働と資本』カール・マルクス

『空想より科学へ』エンゲルス

『学問のすゝめ』福沢諭吉

『後世への最大遺物 デンマルク国の話』内村鑑三

 

 

 

 

 

Reading List   経済学部1年 宮川美穂(17040045)

 

 

タイトル

著者名

出版社

1

沈黙の春

レイチェル・カーソン

新潮文庫

2

パラサイト・シングルの時代

山田昌弘

ちくま新書

3

羅生門・鼻

芥川龍之介

新潮文庫

4

罪と罰 上・下

ドストエフスキー

新潮文庫

5

市民政府論

ロック

岩波文庫

6

哲学者と法学徒との対話

ホッブズ

岩波文庫

7

経済発展の理論 全二冊

シュムペーター

岩波文庫

8

国富論 全四冊

アダム・スミス

岩波文庫

9

資本論 全九冊

マルクス

岩波文庫

10

女性の解放

J.S.ミル

岩波文庫

11

賃労働と資本

マルクス

岩波文庫

12

賃金・価格および利潤

マルクス

岩波文庫

13

エミール 全三冊

ルソー

岩波文庫

14

国家 全二冊

プラトン

岩波文庫

15

国家論

スピノザ

岩波文庫

16

死に至る病

キェルケゴール

岩波文庫

17

社会契約論

ルソー

岩波文庫

18

人生の短さについて 他二篇

セネカ

岩波文庫

19

ソクラテスの弁明

クリトン プラトン

岩波文庫

20

知性について 他四篇

ショーペンハウエル

岩波文庫

21

哲学原理

デカルト

岩波文庫

22

読書について 他二篇

ショーペンハウエル

岩波文庫

23

眠られぬ夜のために 全二冊

ヒルティ

岩波文庫

24

ハリネズミと狐

バーリン

岩波文庫

25

弁論術

アリストテレス

岩波文庫

26

友情について

キケロ

岩波文庫

27

老年について

キケロ

岩波文庫

28

福沢諭吉の哲学 他六篇

丸山眞男

岩波文庫

29

論語

 

岩波文庫

30

孔子

和辻哲郎

岩波文庫

31

代表的日本人

内村鑑三

岩波文庫

32

風土

和辻哲郎

岩波文庫

33

武家の女性

山川菊栄

岩波文庫

34

武士道

新渡戸稲造

岩波文庫

35

忘れられた日本人

宮本常一

岩波文庫

36

アイヌ神謡集

知里幸恵

岩波文庫

37

審判

カフカ

岩波文庫

38

若きウェルテルの悩み

ゲーテ

岩波文庫

39

椿姫

デュマ・フィス

岩波文庫

40

ベートーヴェンの生涯

ロマン・ロラン

岩波文庫

41

カラマーゾフの兄弟

ドストエフスキー

岩波文庫

42

ロシヤは誰に住みよいか

ネクラーソフ

岩波文庫

43

二重人格

ドストエフスキー

岩波文庫

44

ドン・キホーテ

セルバンテス

岩波文庫

45

スタンド・バイ・ミー

スティーブン・キング

新潮文庫

46

恋愛寫眞 もうひとつの物語

市川拓司

小学館

47

今、会いにゆきます

市川拓司

小学館

48

海底二万マイル

ジュール・ヴェルヌ

 

49

あしながおじさん

ジーン・ウェブスター

岩波文庫

50

異見あり 脳から見た世紀末

養老孟司

文春文庫

 

 

「後輩に薦める3冊の本」

 これから、私がお薦めしたい3冊の本を紹介しよう。

 @「白い犬とワルツを」テリー・ケイ(兼武進 訳)新潮文庫

 たしか、数年前に人気のあった本なので知っている人もいるかもしれない。この本のあらすじを付け加えておこう。

 {ある日最愛の妻に先立たれた老人サムは、心のよりどころを失い、自分の殻の中に閉じこもってしまう。彼の子供たちは一人になった彼を気遣い、交代で彼の家に訪れて身の回りの世話をするのだが、彼は子供たちの親切をわずらわしく感じるようになってしまう。そんなある日、彼の元に一匹の犬が姿を現した。彼にどこか似たその犬に、彼は自然と心を開いてゆく。}

 この犬が物語の中で何を象徴しているのか、また何を読者に訴えているのか、ぜひこの本を読んで確かめてみてください。サムの前にしか姿を見せなかった白い犬が突然皆の前に現れたときの、驚きのような感動のような、何とも言えない感じを味わってみてください。

 A「十二番目の天使」(筆者と出版社は覚えていません)

 十二人の男の子たちと、彼らが所属する野球チームの監督との心のふれあいをえがいた物語。とにかく、私たちが忘れかけている何かを思い出させてくれるような本。何でこんなに一生懸命なのだろう?なんでこんなに純粋なのだろう?読んでゆくうちに話の中に引き込まれ、まるで自分が見栄を張ることや妥協することを知らない子供になったような感覚に陥る。結末がありきたりで、最後まで読者を裏切るような展開にならないのだが、そこがこの本の一番の魅力。まっすぐな言葉で、一直線に読者にメッセージを投げかけてくる。結末がわかりやすいだけに、ページをめくるのをためらってしまう。見たくないと思いつつも、ページをめくる手は止まらない。感動作です!

 B「ドストエフスキーのおもしろさ」中村健之介 岩波ジュニア新書

 題名のとおりに、ドストエフスキーの数々の作品の面白さを語った本である。作品の中の特に印象深い言葉に、筆者の解説が付け加えられている。彼の作品を全部読むのが面倒だから面白いところだけを読もうという気持ちで、この本を読んで欲しくない。この本を読むことによって、彼の人生観や、彼が作品を通して伝えようとしていることを読み取って欲しい。彼の作品の魅力として、人間の醜さを緻密にえがいている点が上げられる。その言葉の断片を集めてゆくと、彼の人生観を垣間見ることができる。もちろん、作品をそのまま読んでもいいのだが、さまざまな言葉をまとめて読むことによって、彼の作品の中に隠されたメッセージのある関連性を見つけられると思う。

 

「古本屋めぐり」

 先生からこの課題を与えられたとき、正直に言うと面倒だと思った。古本屋を5店以上めぐること、そしてそこで本を十冊買うこと費やされる時間とお金が無駄になるのではないか?と考えたからだ。でも、今は古本屋めぐりをして良かったと思っている。その理由は@課題として与えられなければ、自分から古本屋をめぐることなんてしないからA課題として与えられなければ、自分から古本を10冊も買うことなんてしないから 要するに、普段自分が体験しないようなことを体験する機会を与えてくれたということだ。

 私は全部で8店の古本屋をめぐったのだが、古本屋には大きく分けて2つの種類があると思う。

 1つ目は、店内に古本が山積みになっていて、今にもその本が崩れ落ちてきそうな古本屋だ。店の広さのわりに本がたくさんあり、店内は狭く、一見だらしないような印象を与える。店員も本に埋もれていてどこにいるのかわからないし、あまり愛想のいい感じではない。本を売って利益を手に入れることにはあまり興味がないように見えたし、本の値段もあまり安くない。店内に入りにくい雰囲気だった。

 2つ目は、店内にきちんと本が整理されていて、店自体が新しい感じのする古本屋だ。店は広く、照明で明るく照らされていて、冷房もきちんときいている。店員は愛想がよく、本の値段は安い。店内に入りやすい雰囲気だった。

 この二つの種類の本屋を比較すると、面白いことに気がつく。客の質の違いだ。

1つ目の本屋に入ってくる客は、割と年配の人が多く、熱心に本を眺めている。おそらく、古本に相当こだわりを持った人々なのだろう。

 2つ目の本屋に入ってくる客は、年齢層が幅広く、何気ない感じで本を眺めていた。店の雰囲気が良い感じだったのでなんとなく入ってみた、というところだろうか。

 ここに、それぞれのお店のこだわりみたいなものを感じた。とくに顕著にあらわれているのが、どんな年齢層の客をターゲットにしているのかだ。見た目の感じの良い古本屋なら、若い人や初めて店に訪れる人も入りやすいし、逆に本が山積みになっていて薄暗い古本屋なら、常連客の穴場みたいな感じがして、それもまたいいだろう。

 次に、私が買った古本を紹介しようと思う。

@「二十四の瞳」

A「ソクラテスの弁明」

B「賃労働と資本」

C「坊っちゃん」

D「あしながおじさん」

E「とかげ」

F「インターネットは『情報ユートピア』を作るか?」

G「ストレスと自己コントロール」

H「心と脳のしくみ」

I「こんなものいらない事典」

 私がこれらの10冊の本を選んだ理由は、値段が手ごろであることと、興味が持てる又は読めばためになると思った本であるということだ。

 そして、今はこれらの本を読む時間がないため、本棚にしまってある。だからといって、私はこれらの本が無駄になったとは思わない。普段から古本屋に行く習慣がないため、手元に古本があることは珍しい。古本を買ったことによって普段と違ったことを体験して、その体験についていろいろ考えることで、私の感性がすこしだけ豊かになった気がする。

 なによりも、本を読みたいと思ったときにすぐに読める環境を作り出せたことは、とても意義のあることだと思う。

 

 

 

 

明石裕行

《第7回目レポート:私のお勧め本》

僕は、小・中・高と皆無に等しいくらい読書をしてこなかった。本を読むのは、国語の時間と読書感想文を書くときくらいのものだった。ところが、この『学問の技法』という授業を受けてから、読書の大切さを痛感し、今までの自分を反省して読書をし始めた。だから、今の段階では、まだまだ読書量は足りていないが、数少ない読んだ本の中から、僕のおすすめ本を紹介しようと思う。

 

【本田宗一郎語録】(小学館文庫)

 戦後、小さな町工場から出発した企業を、「世界のホンダ」といわれるまでに育て上げた、創業者・本田宗一郎。本田宗一郎の最も根底に流れていた精神は、「得手に帆あげて生きよ」という考え方であった。ホンダが、現在の地位を得たのは、この「得手に帆あげて生きよ」を初めとする数多くの本田宗一郎語録があったからであろう。僕は、この本を読んで、本田宗一郎の生き方に大変魅せられた。どうして、本田宗一郎に魅せられたかはわからない。おそらく、本田宗一郎の言葉には、人を魅了する魔法のような力があるのだろう。この本を読むと、自分の抱えていた悩み事は解決され、さらに大きな教養(価値観)までも得ることができた。そんな本田宗一郎語録を少しだけ紹介してみようと思う。

『大変な目標だ。だからこそ、チャレンジするんだ。』

『成功は99%の失敗に支えられた1%である。』

『成功したときに、反省せよ』

『できないことがあるか』

 

【天然魚・秋サケの魅力〜不安だらけの輸入養殖サーモン〜】(北日本海洋センター)

中国野菜の農薬残留問題、BSE問題などなど、食の安全を脅かす問題が日本でも話題になっている。農産物、畜産物の安全性に関する問題は、テレビ・新聞を通して頻繁に報道されるが、水産物の安全性については、報じられる機会が少ない。水産物は安全か、というと一概にそうとも言えないことも現実だ。スーパーで売っている一切れ100円の輸入養殖サケに隠された数多くの問題を、みなさんはどのくらい認知しているであろうか。

この本は、普段は気にも留めない養殖魚(この本ではサケ)に焦点を当てて、その現状を平易な言葉を用いて説明を行っている。

「食の安全」という、今話題のテーマを水産の観点から考えていくには、最適な本だと思う。また、「養殖漁業」の問題点に大きく触れている一冊であるので、消費者の視点から本を読んでいくのも、読み方の一つであると思う。

 

【東大生はバカになったか、知的亡国論+現代教養論】(文春文庫)

本屋で何気なく本を物色しているとき、この本のタイトルが目に留まり、大変興味を感じた。「東大生はバカになったか」、初めは、僕には何の事だかよく理解できなかった。しかし、本の中身を読み進めていくうちに、東大を始めとする全国の大学が抱えている、教養教育の問題点が、筆者(立花隆)の視点から浮き彫りにされていく。

大学に入学してから、なかなか大学の授業に価値を見出せていなかった(学問の技法には、大きな価値を見出し、数多くのことを学び、考えさせられました。)僕にとって、筆者の意見は、とても新鮮なものだった。大学における教養教育問題の奥深さや、解決の困難さを初めて感じた一冊です。

この本は、大学での授業に面白みを感じていない人や、教育問題に関心のある人には、かなりおすすめの一冊です。

 

《読書リスト》

     「君たちはどう生きるか」 吉野源三郎 岩波文庫

     「沈黙の春」 レイチェル・カーソン 新潮文庫

     「人間失格」 太宰治 新潮文庫

     「三四郎」 夏目漱石 新潮文庫

     「ジーキル博士とハイド氏」 スティーブンソン 新潮文庫

     「罪と罰、上・下」 ドスコエフスキー 新潮文庫

     「ハムレット」 シェイクスピア 新潮文庫

     「空想より科学へ」 エンゲルス 岩波文庫

     「社会学の方法」 マックス・ウェーバー 講談社学術文庫

     「社会学の基礎概念」 マックス・ウェーバー 恒星社厚生閣

     「職業としての学問」 マックス・ウェーバー 岩波文庫

     「職業としての政治」 マックス・ウェーバー 岩波文庫

     「理解社会学のカテゴリー」 マックス・ウェーバー 未来社

     「実践理性批判」 カント 岩波文庫

     「福沢諭吉の哲学」他6篇 丸山眞男 岩波文庫

     「武士道」 新渡戸稲造 岩波文庫

     「生きることの意味」 高史明 ちくま文庫

     「看護婦の現場から」 向井承子 講談社現代新書

     「人間の条件」 アーレント ちくま文庫

     「蹴りたい背中」 綿矢りさ 河出書房新書

     「怒りの方法」 辛淑玉 岩波新書

     「魔法の哲学」 渡部英樹 叢文社

     「ヘタな人生論より徒然草」 萩野文子 河出書房新書

     「いちばん大事なこと」 養老孟子 集英社

     「『頭がよい』って何だろう」 植島啓司 集英社新書

     「本と私」 鶴見俊輔 岩波新書

     「ホンモノの思考力」 樋口祐一 集英社新書

     「食品の安全問題の経済分析」 中嶋康博 日本経済評論社

     「中国農産物と食品安全問題」 大島一二 筑波新書

     「ふぐの文化」 青木義雄 成山堂書店

     「水産物の安全性、生鮮品から加工食品まで」 牧之段保夫、坂口守彦 恒星社厚生閣

     「漁師さんの森づくり、森は海の恋人」 畠山重篤 講談社

     「遊道亭円木」 辻原登 文芸春秋

     「サカナと日本人」 山内景樹 筑摩書房

     「わが本田宗一郎」 井深大 ワック

     「本田宗一郎と『昭和の男たち』」 片山修 文芸春秋

     「本田宗一郎の名言、人生へのヒント」 梶原一明 学陽書房

     「本田宗一郎に学んだホンダのヒトづくり・ものづくり」 亀山清隆 実業之日本社

     「本田宗一郎の哲学。人生は『得手に帆あげて』生きよ」 梶原一明 PHP研究所

     「本田宗一郎、夢を力に」 本田宗一郎 日本経済新聞社

     「プロジェクトXリーダーたちの言葉(1)(2)」 今井彰 文藝春秋

     「こう変わる学校、こう変わる大学」 遠山敦子 講談社

     「教育の比較社会学」 原清治、山内乾史、杉本均 学文社

     「現代の教育を考える」 中谷彪、波本勝年 北樹書房

     「対論、脳と生命」 養老孟司、森岡正博 筑摩書房

     「大学評価の展開」 山野井敦徳、清水一彦 東信堂

     「囲碁の民話学」 大室幹雄 岩波書店

     「サッカー監督という仕事」 湯浅健二 新潮文庫

     「中村俊輔栄光への疾走」 中村俊輔取材班 鹿砦社

「野球型VSサッカー型、豊かさへの球技文化論」 林信吾、葛岡智恭 平凡社

 

《古本屋ジャーナル》

73日(土)、僕は初めて古本屋(ここでいう古本屋とは、主に新書・文庫・実用書などを扱う店のことで、マンガ・雑誌を中心においている古本屋のことではない)で文庫本を買うという経験をした。まさか、授業の課題で『古本屋巡り』をするなどとは、思ってもいなかった。

さて、僕の古本屋巡りのコースを、まず示しておこう。橋本先生のHPを見て、北大周辺の古本屋を回って行くことに決めた。初めて知ったことなのだが、実は北大の周辺には多くの古本屋があるものだ。北大の前の通りにある古本屋を北から順に探索することにした。

順序:≪北天堂書店≫→≪弘南堂書店≫→≪いしまる書店≫→≪游書館≫→≪南陽堂書店≫

 

≪北天堂書店≫:家から大学に行く途中、いつもこの店の前を通っているが、入るのは今回が初めてだ。店に入った瞬間、何か独特の「におい」が鼻を刺激した。言葉では表現しづらい微妙な「におい」だ。先生の言っていた「古本屋の香り」というものは、この「におい」だったのか〜、と思った。「古本屋の香り」には入ってすぐに「酔った」。

 棚には、きれいにカバーが付けられた本が、それぞれのジャンル毎に整然と並んでいた。「大学の図書館に似ているな〜」と思いながら店内を1周し、お目当ての文庫本棚の前にやってきた。さまざまな文庫本が、所狭しと、しかし秩序ある状態で並べられていた。比較的新しい本から、黄ばんで歴史を感じさせるような本まであり、見ていて不思議な気分になった。だいぶ読み込まれた形跡がある「三四郎」を手に取り、中を開いてみた。新品の本とは違った、独特の雰囲気を感じた。新品の売っている本とは違い、読んだ人の形跡(本の傷み具合)があり今までとは違った本を読んでいるような気分になった。また、店の雰囲気がそれを促しているのであろう。

 

≪弘南堂書店≫:北天堂書店を後にし、次に弘南堂書店にやってきた。店の中は、北天堂書店とは違い、和やかな光で溢れていた。その和やかな光の中に、時を感じさせる本が並んでいた。店の雰囲気は「喫茶店風」だった。ここの店も、本は整然と並べられていたが、先程とは違い、カバーをしている本があまり無かった。穏やかな時間の流れが、この店では感じられた。日常の慌しい生活から開放され、本と触れ合っていると、とても気分がリラックスした。普段は、教科書・参考書を見てばかりなので、こうした古本屋のゆっくりと流れる時間の中で、自分の本を探していると、本に対する魅力が、ますます高くなった。

 この店では、本を10冊買った。和やかに過ごした時間の中で、いろいろな本に興味が沸いてきて、10冊も買うという結果になった。ここで、買った本の一部を紹介しようと思う。

【伊勢物語】、【竹取物語】

授業プリントの中で、古典の重要性が書かれていたこともあるが、古本屋で、これらの本を実際に目にし、手にとってみると、歴史の重みみたいなものを感じ、買わずにはいられなかった。高校のとき、これらの物語の一部を読んだが、すべてを読んでいないので、この夏じっくりと読み進めていきたいと思う。普通なら、本が黄ばんでいたり、傷んでいたりすると嫌な気分になるが、古本屋の中にいると、そうした本に目が行き、興味をそそられる。古本屋とは、本当に不思議な場所だ。

 

≪いしまる書店≫:ここは強烈に印象に残っている。まず、店に入ったときの「古本の香り」がすごい。店はすごく小さいのに、本の密度は異常に高い。本は棚からあふれ、通路に山積みになっていて、歩くことさえ困難だった。「店」というより、本の「海」と言う方が正しいと思った。

 僕のイメージしていた古本屋に最も近いが、実際に自分が店内に入ってみると過酷なものだ。本の山を1つでも崩すと、店中の本が崩れてきそうなので、歩くことには細心の注意を払った。どうして、客の僕がこんなに気を配るのだろう〜、と感じつつ狭い店を一回りして、店を後にした。

ただ、店主は相当本を愛しているのだろうな〜、と店を出た後思った。あれだけの環境の中で、平然と作業をしている店主を見ていると、自分もあれだけの環境に耐えられるだけの読書好きになりたいと思った。

 

≪游書館≫:店の前にきて、看板を見たとき愕然とした。そこには、『旅・交通関係専門』という文字が書かれていた。今日探している文庫本とは全く関係なく、どうしようかと思ったが、せっかくだから店の中に入ることにした。入ってびっくり。狭い店内には、びっしりと「旅・交通」関係の本が並んでいた。確かに、看板に書かれていたことは正しい。

 とにかくすごい。マニアしか来ないだろう〜、と思う店の雰囲気だ。僕が、入った瞬間、店の主人と客の会話が止まった。警戒されているのか。僕は、気まずい雰囲気の中に置かれた。しかし、すぐに二人の会話は元のように始まった。良かった。ただ、僕は、あまり長居することができないような状態を感じていた。(気のせいかも知れないが・・・。)

 

≪南陽堂書店≫:北大の正門を出て、すぐの所に南陽堂書店はある。店内に入ると、子供の騒ぎ声が聞こえた。そういえば、今まで回ってきた古本屋は、ほとんど音のない静かな空間であった。普通の書店では、店内アナウンスや客の騒がしい声、ちょっとうるさく感じる店内に流れる音楽などがあり、なかなか本とは向き合えていなかったような気がする。

 ただ、南陽堂書店で聞いた子供の騒ぎ声は、決して耳障りなものではなかった。ともすると堅苦しいイメージを抱いてしまう古本屋に、少しの刺激を与えているようだった。

 店内に入ったときに感じる「古本屋の香り」には、随分と慣れた。古本を見ることに対しても、親しみが持てるようになっていた。

 この店では、5冊の本を買った。うち、4冊は、店の外で売られていた150円の文庫本だ。本の価値は値段で決まるのではない、と授業中に聞いたことを思い出し、この50円の本からでも何かは学べるだろうと思い、購入を決めた。

 

 今日、古本屋を巡ってみて、古本屋の存在・価値を大きく見直した。古本屋は、日常生活から離れた空間であると思う。新しいもの好きの僕であったが、こうして古本屋を巡ってみると、今までには感じたことのない本への親しみを感じるようになった。「古本=汚い」、「古本屋=地味で行く気がしない」というイメージから抜け出し、古本屋にしかない「時の流れ」を感じ、本とじっくりと向き合える古本屋の存在に、初めて大きな意義を感じた。

 

【本日購入した本】

     黒い雨(井伏鱒二) ・ヘミングウェイ短篇集(上)(下) ・伊勢物語 ・竹取物語

     長靴をはいた牡猫(ティーク) ・ジーキル博士とハイド氏(スティーヴンソン)

     走れメロス(太宰治) ・人は何で生きるか、他四篇 

     おかしな男、渥美清(小林信彦) ・太郎物語〜高校編〜(曽野綾子)

     気まぐれ指数(星新一) ・ようこそ地球さん(星新一) ・川釣り(井伏鱒二)

レポートの組み立て方(木下是弘)

 

 

 

 

野本涼子

おすすめの本

誰も知らなさそうな本を含む3冊+αを紹介します。年齢は低めでたいへん読みやすいのでマイナーですが見つけてみてください。私もすべてそろえているわけではなく記憶から掘り起こす部分もありますが、私が読んだ順に挙げていきます。

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1.「おちゃめなふたご(シリーズ)」エニード・ブライトン著 佐伯紀美子訳

 ポプラ社文庫-世界の名作文庫

私が小学校低学年ではまりこんだ小説です。双子の女の子が転校生としてある学校にやってきて、寮でさまざまな騒動を起こす話です。舞台はカナダの田舎の女子学校で、校内でいつも行われているスポーツ(ハリーポッターでいうところのクィデッチのような)はラクロスです。寮生の女の子たちは皆大人びていて、自立した気風があり、子供心に憧れたのを覚えています。双子とその仲間たちは、友達のシーツを折り返して両端を縫って足が伸ばせないようにしたり、夜、こっそりパーティーを開いたり、いたずらから犬の世話までいろいろなことを体験します。パーティーの場面は印象的です。チョコレートでできたバラの飾りのついたケーキやオイルサーディン(いわしの缶詰)で作ったサンドイッチなど(当時の私には)珍しいものを持ち寄り、お菓子とスリルを味わいますが、いつも寮母や級長に見つかりそうになったりして、純粋な「わくわく感」を楽しめるシリーズです。現実にありえない夢と冒険ならハリーポッターですが、日常的で親しみやすい冒険なら「おちゃめなふたご」がお勧めです。

 

2.「あなたの大切な人が拒食症になったら」ペギー・クロード・ピエール著

 田村明子訳 新潮社

高校1年で読みましたが、いい話なのに、お気に入りなのに2度は読めなかった不思議な印象の本です。これもカナダのお話で、著者ペギーは二人の娘のお母さん。心理学者でも脳科学者でもありません。あるとき上の娘が摂食障害に陥り、それを時間をかけてじっくり治すべくシングルマザーの彼女が奮闘します。外出して一口のマフィンを食べさせるにも多大な配慮と努力をして、カリウム(これが拒食期に大事なミネラル)摂取のために娘の言うような熟れて腐りかけたバナナを探して店を回ったり、夜も眠らず娘を見守る母(自身)の姿が書かれています。苦労の末、娘の拒食は完治、するとそれまで姉を応援していた妹が摂食障害にかかってしまいます。これは、ふつうの母親が娘と向き合い、当時主流だった行動療法(無理に食べさせる、食べないときには行動に制限を加える)を再発の可能性が高いと批判し、新しい治癒法(または親子のかかわり方)を提案する内容で、身近に摂食

障害の方がいれば、本当にお勧めの一冊です。ちなみに妹のほうの拒食が治ったあとペギーはカナダで「モントレークリニック」という小さな医院を開き、彼女の言うところによると(記述当時)再発率0%の実績で摂食障害の患者を診ているそうです。

 

3.「沈黙の艦隊」かわぐちかいじ作 講談社 文庫で16

高3で読んだ長い漫画です。主人公の海江田四郎(海上自衛隊、潜水艦の艦長)が最新型の原子力潜水艦を用いて国から国へと潜航を続け、世界平和の新しいあり方を提示します。世界を舞台にした大規模な話で、テーマも政治・経済・報道・軍隊など多岐にわたり、全体を通して戦闘時の海江田さんの天才的な操艦は見ていて気持ちよく、意外な結末があとに疑問を長引かせます。堅い題名を嫌がらず読んでみれば、きっと海江田さんのファンになります。

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α

レポートはここで終わりたいのですが、あと二つ紹介したいものがありますのでコッソリ挙げます。

1.「おかあさんとあたし」k.m.p著 大和書房

主婦のおかあさんと小さな娘の何気ない日常を描いた絵本です。あ、こんなことあったあった!!と共感できるかもしれません。今でも、数十年後でも、おかあさんが恋しくなったとき、心があたたまるような懐かしい感じのする本です。

2.「新明解国語辞典」金田一京助ほか編

新明解について面白く書いた本を私は読んだことがありません。でも、子供のころから新明解を引いて育っています。面白い記述がいろいろあるので、気休めにページをめくるのがお勧めです(辞書なのにめずらしい・・・)。最後に例をいくつか載せます。

おこぜ・・・「背びれに毒のとげが有る近海魚。頭はでこぼこしていて、ぶかっこうだが うまい」

医者・・・「病人を直し、病気を予見し、病気を無くすことに生涯を傾ける人」

恋愛・・・「一組の男女が相互に相手に ひかれ、ほかの異性をさしおいて最高の存在としてとらえ、毎日会わないではいられなくなること」(この項目はもっと過激な表現をした版もあります。)

 

 

読みたい本50

名前は知っているんだけど・・・というのを早く読んでしまいたいです。

1 『カラマーゾフの兄弟』 全四冊  ドストエフスキー 岩波文庫

2『罪と罰』 全三冊 〔全3冊〕 ドストエフスキー 岩波文庫

3『にんじん』 ルナアル 岩波文庫

4『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』ウェーバー 岩波文庫

5『自由からの逃走』フロム 東京創元社

6『スタンド・バイ・ミー』スティーブン・キング 新潮文庫

7『デカメロン』ボッカチオ 教養文庫

8『パンタグリュエル物語』ラブレー 岩波文庫

9『ドン・キホーテ』セルバンテス 岩波文庫

10『太陽の子』灰谷健次郎 新潮文庫

11『バナナと日本人』鶴見良行 岩波新書

12『夜と霧』フランクル みすず書房

13『ワーニャおじさん』 チェーホフ 岩波文庫

14『罪と罰』 全三冊 〔全3冊〕 ドストエフスキー 岩波文庫

15『アンナ・カレーニナ』 全三冊  トルストイ 岩波文庫

16『谷間のゆり』 バルザック 岩波文庫

17『脂肪のかたまり』 モーパッサン 岩波文庫

18『ゴリオ爺さん』 〔全2冊〕 バルザック 岩波文庫

19『異邦人』 カミュ 新潮文庫

20『若きウェルテルの悩み』 ゲーテ 新潮文庫

21『車輪の下』ヘッセ 新潮文庫

22『沈黙』 遠藤周作 新潮文庫

23『三四郎』 夏目漱石 新潮文庫

24『沈黙の春』レイチェル・カーソン 新潮文庫

25『青春読書ノート:大学時代に何を読んだか』佐高信  講談社文庫

26『法の精神』 全三冊  モンテスキュー 岩波文庫

27『国富論』〔全4冊〕 アダム・スミス 岩波文庫

28『資本論』 全九冊 マルクス 岩波文庫

29『エミール』 全三冊  ルソー 岩波文庫

30『コーラン』 全三冊 岩波文庫 

31『自省録』 マルクス・アウレーリウス 岩波文庫

32『社会契約論』 ルソー 岩波文庫

33『純粋理性批判』 全三冊  カント 岩波文庫

34『ソクラテスの弁明』 クリトン プラトン 岩波文庫

35アリストテレス 『ニコマコス倫理学』 全二冊 岩波文庫

36アリストテレス 『弁論術』 岩波文庫

37『ガリア戦記』 カエサル 岩波文庫

38『ゲルマーニア』タキトゥス 岩波文庫

39『素足の心理療法』霜山徳爾 みすず書房

40『幼児期と社会』エリクソン みすず書房

41『ものぐさ精神分析』岸田秀 中公文庫

42『ジャン・クリストフ』ロマン・ロラン 新潮文庫

43『一九八四年』オーウェル ハヤカワ文庫

44『堕落論』坂口安吾 角川文庫

45『マスターキートン』浦沢直樹 小学館

46『かもめ』他 チェーホフ 新潮文庫

47『ソフィーの世界』全二冊 ゴルデル NHK出版 

48『霊長類ヒト科動物図鑑』 向田邦子 文春文庫

49『ダーク・ブルー』ズディニェク・スヴィエラーク 角川文庫

50『星の王子さま』テグジュペリ 岩波書店

 

 

古本屋めぐり

@ 北二十条のBOOK OFF

とくに探す本などは決めず、フラリと立ち寄る。どのブックオフとも似ていて新しい本・漫画が多く、店内も明るい。指定の文庫の並ぶ前で、『名前は知っているけど・・・というのを減らそう』と思ったのを思い出す。私は幸田文の文章が好きなので、いろいろと手にとってみる。角川だったり他文庫だったり制約が多い。このぐらいはいいのではないかとも思ったけれど、とりあえず新潮文庫の「おとうと」にした。そしてヘッセの「車輪の下」、漱石の「こころ」も手に取る。こころは半分読みかけだったのでこの機会に読んでしまおうと思った。こころの裏表紙には驚かされた。あまりにあっさりと、話の筋が手短に載っている。やはりお話を楽しむのではなくそこからどのようなメッセージを受け取るか、あるいは何を考えて読むかが大切なのかということだろうか。そうはいっても、いわゆる「ネタバレ」をあれほど淡白にされると少し寂しい。値段は半額より少し高めか安めといったところだが、100円や50円の本がざらにあるというわけでなかった。

 

A 弘南堂書店

店は少し暗めで、奥でおじさんが新聞を読んでいる。いかにも古そうな茶色い本が並び、入ってすぐのところには透明な棚があって、中に古書が開かれていた。数万の値段だ。やはり幸田文が目に付き、「父・こんなこと」を買うことにする。古めかしい感じの店内では、なんだか本を触るのすら悪い気がして、会計のときもなんとなく「スイマセン・・・」と言ってしまう。新聞を読んでいたおじさんに本を渡そうとすると、おばさんが出てきて清算してくれた。なんとなく「アリガトウゴザイマス・・・」と言って店を出た。値段は半額だった。

 

B 南陽堂書店

やはり奥でおじさんが本を読んでいた。レジにはおばさんが立っている。私は恐ろしく古い(書かれた時代が)本に弱い。そこで岩波文庫の「ソクラテスの弁明・クリトン」を取る。著者プラトンというのが壮大な時間を感じさせて、そんな古い時代にも考え・論じ、執筆する人間がいたのかと思うと魅力的だ。それから宮沢賢治の「注文の多い料理店」。その話は読んだことがあったが、開いてみるとほかはすべて知らない短編だったので買うことにする。そして、中1のころ読みかけてそのままだったルナアルの「にんじん」。これはどの書店にも見られた。本当は小学生で読んだレ・ミゼラブルを読み直したかった(ほとんど覚えていないし、理解もしていないので)けれど、揃っていないのでにんじんにする。子供がかわいそうな話が好きなのかもしれない。エドワード・ゴーリーの「不幸な子供」「敬虔な幼子」(短い絵本)も好きだ。もちろんにんじんやレ・ミゼラブルは『かわいそう』だけの話ではなさそうではあるが。ここで買った3冊は半額、プラトンは100円で買えた。

 

C 北天堂書店 

ここにきて古本屋のイメージがガラリと変わった。なにげなく手に取った一冊の本(カーリダーサの戯曲シャクンタラー)に、1000円の表示がしてある。「えぇっ?!」と元の値段を見ると、450円だ。高い。なぜかと思えばそれは岩波文庫の絶版という分類にあって、希少価値があるらしい。私は、古本屋とは本を安価で売る店のことだと思っていた。しかしこの店では絶版はもちろん、そうでなくても元値より高い本がズラリと並んでいる。おまけに値札にハンコが押してあって、『今の値段は〜円』と、さらに値上げされているものも多かった。5ミリほどの厚さの「サロメ」も800円、サロメだったら今まで行った書店にも置いてあった。それはこんなに高くないだろうと思った。それを裏付けるように、シャクンタラーには、ブックオフの250円の値札シールが貼られたままだった。希少価値を見る目があれば、ブックオフで買って北天堂に売って儲けられるのではないかとさえ思った。この書店は本をとても大切にしている印象があった。ハードカバーはほとんどに、文庫は半分ほどに半透明の紙がかかっている。値段も高い。『この本は二束三文で売れるような価値のものではないのだ!』と言われている気がする。もっとも、その価値とは内容や需要ではなく希少性のことであるようだ。そこで、二束三文(百円均一)コーナーで2冊選ぶ。カフカの「変身」とカミュの「異邦人」。新潮文庫の百冊のうちの2冊だ。本当はアイヌ民謡集がほしかった。アイヌの言葉がローマ字で書いてあって、とても魅力的だった。値段は千円だった。ビックリして棚に戻したけれど、今度挑戦しようと思う。

 

D 北12条書店

新しい本でミステリ・恋愛などが多い。知的生き方文庫のコーナーもあった。若い人向けの店なのかな、と思った。指定の文庫がおいてあるコーナーは小さくて、値段も安い。棚が低くて見通しがよく、「古本屋!!」と迫ってくる感じ(いかめしさや古めかしさ)は薄かった。まず「黒のトリビア」という本が目につく。本物の「トリビア」をまねた装丁で、何人殺した女がいる、腐乱死体と生活していた男女がいる、などぞっとするような事件や警察用語などを集めた本だ。とりあえずそれを一気に立ち読みして、目指すコーナーから本を選ぶ。シェイクスピアの「ヴェニスの商人」。これが最後の一冊になるが、最後まで定番で揃えてしまったな、と思った。それでも今は定番が読みたいのでよしとする。そういえば先生のお薦めリストも大半が定番だった。やはりおもしろいのは結局定番なのか、それともあのリストは単に学生だから読むべき本というものが載せられていただけなのか。

 

さいごに

古本屋と一言でいっても、めぐってみるとさまざまなものがあって、品揃えも価格もバラバラだ。生活圏内の古本屋はいろいろめぐって、お気に入りを見つけておくといいと思った。めぐっている途中で思ったのは、どの書店にもある本を何度も目にすると、自然に読みたくなるということだ。(こう言うとまた先生に「媚びている」と不評を買いそうだが、私のひたむきな心は媚びるようなよい子でも、冷める若者でもないことを断っておいて・・・)これがつまり積ん読の効果の一端なのだな、と思った。つまり、買わなくても本屋に通えば自然に読みたくなるということだ。そのほうが「読みたい感」があがって読みやすくなるのではないかとも思う。